怪物フランケルの騎手、指示通りに騎乗したと主張(イギリス)[その他]
セントジェームズパレスS(G1)でフランケル(Frankel父:ガリレオ)に騎乗した際に仕掛けるのが早すぎたと批判を受けているトム・クイリー(Tom Queally)騎手は、指示通り騎乗したと主張した。
クイリー
騎手はヘンリー・セシル(Henry Cecil)厩舎のスーパースターの7戦すべてに騎乗し勝利に導いてきたが、英国2000ギニーは大差で勝ったのに対し、ロイヤルアスコット開催では追い込まれて3/4馬身差の辛勝であった。レースの半ばでペースメーカーのリルーティッド(Rerouted)をかわしたことで批判を受けているクイリー
騎手は、レーシングUK(Racing UK)のポッドキャストに次のように語った。「批判する人々は私が指示通りに騎乗したことを分かっていません。フランケルは手ごたえ抜群で、リルーテッドも脚色がいいので、リルーテッドを徐々に捉えようとしました。セシル調教師からはコーナーの前に仕掛けるよう指示されていましたので、それに従ったまでです」。「レースではさまざまな事が起こり得ますが、とにかくフランケルは勝ったということが最も大事なことです。馬のキャリアはまだ傷ついていません」。
クイリー
騎手は再度同じようなスタイルでフランケルに乗ることを求められていないようである。しかし、同騎手もセシル調教師もこの3歳馬が見せつけた守備範囲の広さに舌を巻いた。同騎手は次のように続けた。「スピードが抜群であることはもちろんですが、今回フランケルが早目に仕掛けて勝ったことは、シーズン序盤よりも戦略的な自在性を身につけたことを意味しています。このことは結果的に良いことです。2着馬はフランケルの3/4馬身差まで迫りましたが、フランケルの3/4馬身前を行くことはできませんでした」。「私はフランケルのスタイルを変える必要はないと思っています。彼には安心して騎乗できますので、あとは次走で何が起こるか見るだけでしょう」。
次走はサセックスS(G1)の予定で初めて古馬と対戦することになっており、クイーンアンS(G1)勝馬のキャンフォードクリフス(Canford Cliffs)と対戦する可能性がある。
クイリー
騎手はフランケルが優勝することを確信しているが、フランケルの無敗記録を脅かす存在としてキャンフォードクリフスを甘く見てはいない。「私たちのレースもかなり速い展開でしたが、同日に行われたクイーンアンSでキャンフォードクリフスとゴルディコヴァ(Goldikova)は素晴らしいレースを繰り広げました」。
「私はキャンフォードクリフスが勝つと思いました。彼はゴルディコヴァを脅かすことのできる存在だと考えていました。しかしゴルディコヴァはスター牝馬であり、その記録が物語っています」。
「キャンフォードクリフスは、目立つこともなく、大差をつけて勝ったこともありません。いつも圧倒的な勝利を求める人もいますが、馬にとっては勝つことが肝心です。ゴール板間近で競り合い、人々の目を釘付けにするのは素晴らしいことです」。
By Stuart Riley
[Racing Post 2011年6月20日「Queally insists he was riding to instructions」]