イタリア競馬、予算削減に抗議するストライキで開催停止(イタリア)[開催・運営]
予算削減に対する一連のストライキによって今年の開催が全面ストップし、イタリア競馬は活動不能となっている。
今回の競馬界全体のストライキは、競馬財政の悲惨な状況に抗議するものである。
イタリア本土のすべての競馬場は閉鎖され、裁決委員、発走委員および競馬場職員がストライキを行い、また、生産者、調教師および馬主の代表たちは、ローマにある競馬統轄機関ASSIの本部において1月12日までの予定で座り込みを行っている。[訳注:ASSI(Agenzia per lo sviluppo del settore ippico)は前身のUNIRE(Unione Nazionale per l’Incremento delle Razze Equine)から2011年7月15日に改名されたもので、役割は同じ]
フランキー・デットーリ(Frankie Dettori)騎手は、昨年12月に香港の騎手イベントにイタリア代表で参加した際に、“イタリア競馬を守ろう”とプリントされているサッカーのイタリア代表チームのシャツを着て、イタリア競馬の窮状を訴えた。
同騎手は、「イタリア競馬は大変深刻な状況にあり、この危機を乗り越えるために母国を助けたいと思っています。イタリア競馬界のすべての人々は、力の及ぶ限り一丸となって取り組まなければならないでしょう」と語った。
ASSIの事務局長フランチェスコ・ルフォ(Francesco Ruffo)氏は、2012年には、イタリアの競馬場に前年よりもおよそ4,000万ユーロ(約44億円)下回る6,100万ユーロ(約67億1,000万円)しか資金提供されないだろうと発表した。
この予算削減と賭事売上げの減少から、2012年に施行されるすべてのレースの賞金額は40%減少する。
ルフォ氏は、「予算削減に同意する契約に署名しなければ、競馬場は競馬を施行するのに必要な観客安全確保の免許を取得することはできません」と語った。
デモ参加者はASSIが更なる予算削減を計画していると訴え、約200人が競馬テレビ局(Unire TV)のオフィスに侵入し、機材とケーブルを持ち去り、海外競馬の放映を妨害した。報道によれば、同テレビ局の司会者の1人は抗議者に暴行された。
By Francesco Rossi
(1ユーロ=約110円)
[Racing Post 2012年1月4日「Italian racing grinds to a halt as industry strikes over cuts」]