英国と愛国、凱旋門賞後に負担重量基準の変更を行う予定(欧州)[開催・運営]
トレヴ(Trêve)のまばゆいばかりの凱旋門賞(G1)優勝がきっかけとなって、平地競走の長年続いている馬齢重量基準が1995年以来初めて変更されることになりそうだ。
英国とアイルランドのハンデキャッパーは、毎年8月以降距離の長いレースに3歳馬が出走する際にとられている歴史ある措置を変更することにこの度同意したが、これは10月6日の豪華な凱旋門賞のような権威あるレースではなくハンデ戦における傾向のためであると述べている。
彼らは今後近隣国にその必要性を納得させなければならず、1月のヨーロッパ・パターン競走委員会(European Pattern Committee:EPC)の会合でその趣旨を説明したいとしている。
トレヴは1995年の馬齢重量基準変更以来15頭目の3歳の凱旋門賞馬であるが、ターフクラブ(Turf Club)の上級平地競走ハンデキャッパーであるギャリー・オゴーマン(Garry O’Gorman)氏は次のように語った。「私たちの管轄ではないパリで10月6日に開催されたレースが今回の変更の主な理由ではありません」。
「英国とアイルランドで、私たちは対処を要するハンデ戦の傾向を目の当たりにしています。3歳馬は8月以降長い距離のレースで有利になっており、基準を若干修正するようEPCに提案する予定です」。
オゴーマン氏とBHA(英国競馬統轄機構)のフィル・スミス(Phil Smith)氏は、2013年度ワールド・サラブレッド・ランキングが検討される12月のハンデキャッパー会議で、初めてこの問題を提起するだろう。そして両氏とも、競馬番組がハンデ戦頼みではなくなりつつあるEPCのメンバー国と意見が衝突する覚悟をしている。
オゴーマン氏は次のように続けた。「これは徹底的な見直しというわけではなく、同意に至らなければ、おそらく時機を見ることになるでしょう。提起される強い懸念を切り捨てるつもりはありません。また凱旋門賞に影響するはずの変更にフランスが大きな関心をもつことを期待しています」。
「凱旋門賞は当然ながら並みの馬の集まりではなくあまり影響はないと思いますが、今回の変更で重賞競走にも影響が及ぶのであれば、それはそれで良いでしょう」。
オゴーマン氏が皮肉な流れと称したとおり、オゴーマン氏自身とスミス氏が達成しようとしている変更は10月における3歳馬のアローワンスを6〜7ポンド(約2.7〜3.2kg)減らすものであり、これはフランスの基準を英国、アイルランド、ドイツと統一するために1995年に適用した変更への逆戻りとなる。
1995年以降、変更前の凱旋門賞での3歳馬の優勝回数は19戦9勝であったのに対し、変更後は19戦15勝でほぼ無敗である。
トレヴは10月6日の凱旋門賞での負担重量は54.5kgで、59.5kgを背負った2着馬オルフェーヴルより5kgの恩恵があったが、この差異は、牝馬へのアローワンス(1.5kg)と3歳馬へのアローワンス(3.5kg)が合わさって生まれた。
フランスギャロ(France Galop)のハンデキャッパーであるジェラルド・ソーク(Gerald Sauque)氏から、この件についてのコメントは得られていない。
1995年以降の3歳馬/古馬別の凱旋門賞出走頭数と勝率 | ||
3歳馬 (勝率) | 古馬(4歳以上) (勝率) | |
全体 |
出走頭数135頭<46%> 勝馬15頭<79%> (11%) |
出走頭数158頭<54%> 勝馬4頭<21%> (3%) |
牝馬 |
出走頭数35頭 勝馬3頭 (9%) |
出走頭数26頭 勝馬1頭 (4%) |
牡馬 |
出走頭数100頭 勝馬12頭 (12%) |
出走頭数132頭 勝馬3頭 (2%) |
By Tony Smurthwaite
[Racing Post 2013年10月9日「British and Irish officials to push for weight changes after Arc」]