ブックメーカー4社の資金提供の開始が遅延(イギリス)[その他]
大手ブックメーカーが競馬界に約束した450万ポンド(約7億8,750万円)の任意の資金提供は、今年4月から支払いが開始される予定だったが、早くとも9月からとなる見込みである。
昨年の賦課金交渉の後、競馬界と大手ブックメーカー4社、すなわちウィリアムヒル社(William Hill)、ラドブロークス社(Ladbrokes)、コーラル社(Coral)およびベットフレッド社(Betfred)との間で、年間450万ポンドの任意の追加的な資金提供を行う4年契約を締結したことが発表されていた。
合計1,800万ポンド(約31億5,000万円)の資金は、競馬賭事賦課公社(Levy Board:以下「賦課公社」という。)のメンバーや、BHA(英国競馬統轄機構)、イギリス競馬場協会(Racecourse Association)およびホースメングループ(Horsemen’s Group)の競馬組織、それとブックメーカー4社からなる新しい資金分配団体によって管理されることになりそうだ。この資金分配団体は賦課公社に対し、競馬界の競争力向上と賦課金収入増加のために、最善の資金分配方法を助言することになるだろう。
7月1日の馬主協会(Racehorse Owners Association)の年次会議でレイチェル・フード(Rachel Hood)会長が「昨年の賦課金契約の際、この資金提供契約は競馬界と賭事産業の関係を改善する一歩として歓迎されましたが、今ではあまり前向きではないように見えます。4月に支払いが開始されるとされていた450万ポンドの任意の追加的資金提供は何処へ行ってしまったのでしょうか?」と語った時に、この問題は再びクローズアップされた。
賦課公社のCEOアラン・デルモンテ(Alan Delmonte)氏は、これについて次のように答えた。「競馬界とブックメーカー4社はしばらく前に、一連の提案について全ての関係団体によって最終的な詰めが行われ、承認されない限り、支払いは開始すべきでなく、また、開始を急ぐべきではないと合意しました」。
「資金提供契約締結後の数ヵ月間に行なわれた議論の多くは、競馬界の提案の策定に関するもので、さまざまな分野に亘って検討が行われていますが、馬の出走を促進する方法、とりわけ出走頻度の高い馬をどうやって増やしていくかということに重点が置かれていました」。
「これらの提案の最終とりまとめは現在もまだ進められている最中ですが、合意が得られればブックメーカーと賦課公社に提出され、その後、おそらく1年周期となる支払いが開始されるでしょう」。
デルモンテ氏は、その周期が9月1日に開始されることを望んでいると付け足した。
ベットフレッド社の競馬担当理事であるジョー・スカンロン(Joe Scanlon)氏は、ブックメーカーはファンドへの支払を準備していると語った。
そして「この資金提供についての未解決の問題は、資金の使途であり、資金がどこに分配されるかについて、私たちは競馬界と話し合おうとしています」と付言した。
By Bill Barber
(1ポンド=約175円)
(関連記事)海外競馬情報 2014年No.11「競馬界とブックメーカー4社、4年間の資金提供契約を締結(イギリス)」
[Racing Post 2014年7月2日「ROA asks: where is the £4.5m from bookmakers?」]