ラクレソニエール、波乱含みの仏オークスを制して牝馬二冠を達成(フランス)[その他]
仏オークス(ディアヌ賞)(G1・6月19日シャンティイ競馬場) 2100m 3歳牝馬
1番人気のラクレソニエール(La Cressonniere 父ルアーヴル)は波乱含みの仏オークスを制した。これにより、ジャン-クロード・ルジェ(Jean-Claude Rouget)調教師は同レース4勝目を達成した。
2着はレフトハンド(Left Hand)、3着は勝ちそうな気配があったヴォルタ(Volta)。1~3着をフランス馬が独占した。
クールモア牧場のバリードイル(Ballydoyle)は発走直後に進路を妨害され、このレースで存在感を示すことができなかった。一方、唯一の英国調教馬スイスレンジ(Swiss Range)は先行していたが、最後の直線で力尽きた。
ティエラデルフエゴ(Tierra Del Fuego)は、最後の直線に差し掛かった時に減速して競走を中止した。
また残り約300mの地点で、馬群中段にいたアルマンド(Armande)の前肢がハイランズクイーン(Highlands Queen)の後肢に触れ、アルマンドの鞍上ピエール-シャルル・ブドー騎手が落馬するという事象があった。
審議の結果、ハイランズクイーンは走行妨害の主犯であると見なされ、最下位に降着となった。
クリスチャン・デムーロ騎手はラクレソニエールにこの揉み合いを回避させ、大外を走った。ラクレソニエールは鞭に反応して右に寄れたが、レフトハンドとの競り合いを制し、連勝記録を5に伸ばした。
ルジェ調教師はその日、ケマー(Qemah)でコロネーションS(G1・ロイヤルアスコット開催)を制していたので、1日にG1・2勝を達成した。そして、「ラクレソニエールは何でもこなせる、夢のような本当に素晴らしい馬です」と語った。
感激のあまり大泣きしたデムーロ騎手もこれに同感で、「信じられないほど素晴らしい馬です。先頭から離され過ぎていると思いましたが、ラクレソニエールのことは熟知していましたので、彼女なら勝てると思っていました」と語った。
現在、ラクレソニエールの凱旋門賞(G1)優勝には、12-1(13倍)のオッズが付けられている。
By Daniel Hill
ビュイック騎手、走行妨害と攻撃的態度により30日間の騎乗停止処分
ハイランズクイーン(ヨアンヌ・グロー厩舎)に騎乗していたウィリアム・ビュイック騎手には、アルマンドの落馬の原因となったとして15日間の騎乗停止処分が科された。しかし、裁決委員に攻撃的な態度を取ったとして、その処分は倍増することとなった。
ビュイック騎手は、"裁決委員会は堕落している"と言い掛かりをつけたとされている。同騎手は感情の爆発によりこのような発言をしたことを謝罪したが、より重い罰則が科されるのは決定的だ。
ハイランズクイーンに騎乗していたビュイック騎手は、他馬の走行を妨害したと裁定された。この走行妨害は、外側を走っていた数頭に影響し、アルマンドの鞍上ブドー騎手が落馬する原因となった。
この裁定により、9着で入線したハイランズクイーンは最下位に降着とされた。ブドー騎手とアルマンドに怪我はなかった。
ゴドルフィンと契約しているビュイック騎手は、この走行妨害により15日間の騎乗停止処分を受けたが、裁決委員に対して攻撃的な態度を取ったことからさらに15日間が追加された。
この騎乗停止処分はエクリプスS(G1)翌日の7月3日から適用されるため、ビュイック騎手は7月中は騎乗できない。その間に、ニューマーケット競馬場でジュライミーティング、カラ競馬場で愛オークス(G1)、アスコット競馬場でキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)が施行される。
ビュイック騎手がこの処分の全体または一部について不服申立てを行うかどうかは、明らかではない。
By Daniel Hill
[Racing Post 2016年6月19日「La Cressonniere lands rough Diane for Rouget」、「'Offensive' Buick handed 30-day ban by stewards」]