伝統的な種付シーズン開始日である2月15日を目前に控えた2月7日、英国中の牧場は馬インフルエンザ発生のニュースを受け対策を講じた。
一例を挙げると、トゥウィーンヒルズスタッド(Tweenhills Stud グロスターシャー州)はウイルスの拡大を食い止めるために一層厳格な手順を取り入れる。この牧場には、ロアリングライオン(Roaring Lion 2018年欧州最優秀3歳牡馬)・ゾウスター(Zoustar 豪州の人気シャトル種牡馬)・ライトニングスピア(Lightning SpearサセックスS優勝馬)を含む6頭の優良種牡馬がいる。
同スタッドのオーナ兼社長のデヴィッド・レッドヴァース(David Redvers)氏は、そのウェブサイトにおいてこう語った。「獣医師の助言に従い、我々の牧場を訪れる繁殖牝馬に対して、訪問予定日前の6ヵ月以内に馬インフルエンザの追加予防接種を受けさせていることを要求します」。
「それには、牧場に滞在する繁殖牝馬だけでなくその日のうちに帰る繁殖牝馬も含まれており、馬運車を降りる前にパスポートを確認します」。
「高熱・咳・鼻汁などの馬インフルエンザの症状が確認されれば、獣医師へ直ちに報告されなければなりません。そしてすべてが問題なしと判断されるまで、感染馬や感染馬と接触した馬を移動させようとしないでください」。
レッドヴァース氏は、訪れる繁殖牝馬に一層厳格な手順を適用するが、同スタッドに繁殖牝馬を送ろうとしている生産者に悪影響はないと見込んでいる。
同氏はこう続けた。「いずれにせよ、馬インフルエンザの予防接種を受けた繁殖牝馬しか受け入れてこなかったので、混乱はないだろうと考えます。何が言いたいのかというと、獣医師の助言により、我々の牧場を訪れる前に繁殖牝馬に追加の予防接種を受けさせていただきたいということです」。
「私たちは、馬インフルエンザの広がりを食い止めようとしており、種付シーズン直前である今、生産者には繁殖牝馬に予防接種を受けさせてもらいたいのです」。
レッドヴァース氏は「牧場運営を継続できるように、予防措置が1つだけ増えただけです」と述べ、トゥウィーンヒルズスタッドから他の牧場に繁殖牝馬を送る際にもこのような手順に対して不便を感じることはないだろうと付言した。
アラン&ティム・ヴァリー(Alan and Tim Varey)親子が運営するバッツフォードスタッド(Batsford Stud モートン-イン-マーシュ)も、感染の広がりを食い止めるために一層の努力を傾ける牧場である。
同スタッドはツイッターで次のような声明を出している。「馬インフルエンザについてのBHA(英国競馬統轄機構)のプレスリリースと、獣医師の助言に従い、バッツフォードスタッドは先を見越した措置を取ろうとしています。我々の牧場を訪れる繁殖牝馬・牡馬(滞在しない場合を含む)については、訪問予定日前6ヵ月以内に馬インフルエンザの予防接種を受けたことが記されたパスポートのコピーを、到着前に提出するよう要求します。バッツフォードスタッドの繋養馬もすべて、この手順を順守します」。
By James Thomas
[Racing Post 2019年2月7日「Studs braced for challenging start to breeding season after equine flu outbreak」]