ガリレオは驚異的な種牡馬としてつねに称賛を浴びてきた。しかし7月29日、クレールフォンテーヌ競馬場(フランス・ドーヴィル)において牝駒バーチグローヴ(Birch Grove)がカジノトランシャン・ド・ヴィレールシュルメール賞(L 芝2400m)を制したことで、ステークス勝馬300頭という金字塔を打ち立てることとなった。
バーチグローヴ(デヴィッド・シムコック厩舎)は、フランケル・ハイランドリール・ニューアプローチ・マインディングなどの一流馬が名を連ねるガリレオ産駒の名簿の中で見慣れない名前である。それもそのはず、バーチグローヴは前走のハンデ戦(アスコット競馬場)においてレーティング76で敗れている。
しかしカジノトランシャン・ド・ヴィレールシュルメール賞では、同馬はミカエル・バルザローナ騎手を背に最後の直線で追い込んでくる馬をかわし、最後にとらえようとしてきたエルマフロディット(Hermaphrodite)を¾馬身退けて優勝した。
ガリレオのステークス勝馬300頭のうち、重賞勝馬は198頭、リステッド勝馬は102頭である。これらの馬は、ガリレオのブラックタイプ計651勝に貢献している。サドラーズウェルズのステークス勝馬は294頭なので、ガリレオはすでに父を超えていることになる。
デインヒルが打ち立てた史上最多記録のステークス勝馬347頭にはまだ届かないが、デインヒルのG1馬89頭の記録には10頭足りないだけだ。
バーチグローヴは、グレンヴェール牧場(Glenvale Stud)により生産され、当初はジム&フィートリー・ヘイ(Jim and Fitri Hay)夫妻により所有されていたが、現在はラソーダンパートナーシップ(Rathordan Partnership)により所有されている。前回リステッド競走に出走しようとしたときはその水準に達しなかったが、今回のクレールフォンテーヌ競馬場での勝利の前にはウルヴァーハンプトン競馬場やウィンザー競馬場で優勝していた。
同馬の母デインハースト(Danehurst 父デインヒル)は、現役時代はチェヴァリーパークスタッド(Cheveley Park Stud)を馬主とし、サー・マーク・プレスコット調教師により管理された優秀な競走馬だった。そして欧州各地でフライングファイブ(G2 カラ競馬場)などの重賞競走を制した。バーチグローヴのファミリー(牝系)を遡れば優秀なG2馬ダズル(Dazzle)などが出ている。
[Racing Post 2019年7月29日「Galileo joins exclusive 300 club after Listed success at Clairefontaine」]