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海外競馬ニュース
2007年04月12日  - No.14 - 2

ベイメドウズ競馬場73年の歴史に幕を降ろす(アメリカ)[開催・運営]


 カリフォルニ ア州競馬委員会(California Horse Racing Board)は3月22日、人工馬場導入に関して2年間の猶予を求めるベイメドウズ競馬協会(Bay Meadows Racing Association)の要請を認めないことを4対2で票決した。

 この決定により、1934年開設のベイメドウズ競馬場は来年に閉場することになると同競馬場のジャック・リーボー(Jack Liebau)社長は語った。

 リーボー社長は「カリフォルニアの競馬にとって屈辱の日です。北カリフォルニア競馬は決してこれまでのようには存在しないでしょう。競走馬、馬主、調教師は離れて行きます」と述べた。

 同社長は「ベイメドウズは2008年の開催日割申請は一切行わないでしょう。委員会は決定を下しました。仕方がありません」と語った。

 2006年に委員会は安全面の理由を挙げて、競馬を4週間以上継続して開催する全競馬場は、2008年度の競馬開催免許を取得のためには人工馬場を設備 しなければならないと決定していた。同競馬場と同様にベイメドウズ・ランド社(Bay Meadows Land Co.)所有のハリウッドパーク(Hollywood Park)競馬場は人工馬場を敷設し、デルマー(Del Mar)競馬場も設置中である。またゴールデンゲートフィールズ(Golden Gate Fields)競馬場とサンタアニタ(Santa Anita)競馬場は今夏その導入を計画している。

 ベイメドウズ・ランド社は2〜3年以内にベイメドウズ競馬場を閉鎖し、その土地を開発する予定であることを表明した。間もなく閉鎖する競馬場に対して、 新しい馬場の敷設費用の推定800万ドル(約9億6,000万円)を支出しようとは考えなかったとリーボー社長は述べた。

 リチャード・シャピロ(Richard Shapiro)委員長、ジョン・アマーマン(John Amerman)氏、ジェローム・モス(Jerome Moss)氏、マリー・モレッティ(Marie Moretti)氏は導入期限の猶予に反対票を投じた。ジョン・ハリス(John Harris)副委員長とジョン・アンドリーニ(John Andreini)氏は賛成票を投じた。シャピロ委員長はベイメドウズ競馬場の歴史的・経済的価値を評価しながらも、「私たちは競馬産業を前進させなけれ ばならない」と付け加え、「私たちが競馬開催の停止をさせた当事者ではない」と述べた。

 モス氏とアマーマン氏は、人工馬場が馬のため最重要であると信じて導入期限猶予に反対票を投じたと述べた。

 ハリス副委員長はもう2年間競馬を開催すればカリフォルニア競馬の財政状態は改善されると信じて期限猶予に賛成票を投じたと語った。

 北カリフォルニアの多くの調教師が期限猶予に賛成を表明したが、カリフォルニア・サラブレッド調教師会(California Thoroughbred Trainers)委員会の代表のエド・ハルパーン(Ed Halpern)氏はベイメドウズ競馬場に対して人工馬場の導入を強制した方が良いと語った。

 カリフォルニア・サラブレッド馬主会(Thoroughbred Owners of California)代表のトム・バッチマン(Tom Bachman)氏は、自身のグループが委員会の導入期限猶予に関し拒否を要請したと述べた。

 ベイメドウズ競馬場が無くなると北カリフォルニアの主要なサラブレッド競馬場はアルバニーにあるマグナ・エンターテインメント(Magna Entertainment)社所有のゴールデンゲートフィールズ(Golden Gate Fields)競馬場だけとなる。現在開催中のベイメドウズ競馬は4月22日までで、夏秋開催は8月22日〜11月4日である。

 ベイメドウズ競馬場はビル・ケイン(Bill Kyne)氏のリーダーシップのもと1934年11月3日オープンした。この年の後半に最初にフォト・フィニッシュ・カメラを導入した競馬場となり、また 1939年には最初に電動式の発馬機を使用した競馬場となった。シービスケット(Seabiscuit)、サイテーション(Citation)、ラウンド テーブル(Round Table)、ネイティヴダイバー(Native Diver)、ノーア(Noor)、マジェスティックプリンス(Majestic Prince)、シガー(Cigar)、ロストインザフォッグ(Lost In The Fog)などの多くのスター馬がこの競馬場で出走した。ビル・シューメーカー(Bill Shoemaker)が1948年に騎手デビューし、1949年にステークス初勝利を飾ったのも同場であった。昨年はラッセル・ベイズ(Russell Baze)騎手がラフィット・ピンケイ・ジュニア(Laffit Pincay Jr.)騎手の記録を一気にぬいて競馬の最多勝利騎手となった舞台でもあった。

 

By Chuck Dybdal
(1ドル=約120円)


[Daily Racing Form 2007年3月22日「 After 73 years, Bay Meadows will close」]


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