ラグストゥリッチズ、競馬界に逸話を提供(アメリカ)[その他]
ラグストゥ リッチズ(Rags to Riches)は、ベルモントステークス(G1)を102年ぶりに優勝した牝馬であり、その素晴らしいレースぶりは競馬界で話題になっている。ニューヨー ク競馬協会(New York Racing Association: NYRA)と全米サラブレッド競馬協会(National Thoroughbred Racing Association: NTRA)は、彼女の人気にあやかろうとしている。
ラグストゥリッチズのベルモントステークスへの出走登録は遅くなり、レースの4日前であった。そのためNYRAが同馬を利用してベルモントステークスを 宣伝するには時間不足であったが、ラグストゥリッチズが長いたたき合いの末優勝したことで、同レースは一気に注目を集めた。
NYRAの広報担当部長ジョン・リー(John Lee)氏は、「ラグストゥリッチズの登録のおかげで、ベルモントステークスへの注目度が急上昇し、非常に大きな宣伝になりました。レース翌日の競馬ライ ターたちは同馬の優勝に釘付けでした。私はこれほど注目を集めたベルモントステークスの勝利を見たことがありません。まるでお祭り騒ぎでした。このレース は私が見た中で最高のベルモントステークスです」と語った。
ラグストゥリッチズがゴールを切った数分後、リー氏は“グッドモーニング・アメリカ”のプロデューサーから翌朝の生番組で取り上げたいという電話を受け た。このドキュメンタリー番組は競馬界に直接利益をもたらすものではないが、国内のメディアが競馬に注目したことを同氏は良い兆候だととらえている。
ニューヨークタイムス紙は、一面にラグストゥリッチズの写真を掲載した。リー氏は、同馬がトラバースステークス(Travers Stakes GI)で牡馬たちと戦うことになれば、競馬界の大きな話題となると確信している。
リー氏は、「人々の関心は同馬が牡馬に挑むことにあり、この関心は大きくなるでしょう。牝馬がトップの牡馬を打ち負かすということはユニークです。この ようなことは他のスポーツにおいてほとんど起こりえませんので、競馬のセールスポイントの1つです。私たちは強い武器を持っているのです」と語った。
NTRAは、トッド・プレッチャー(Todd Pletcher)厩舎のアンナ・セイツ(Anna Seitz)氏とマギー・スウィート(Maggie Sweet)氏が週2回更新するラグストゥリッチズのブログをhttp://www.ntra.com/で公開することを計画している。
ラグストゥリッチズのホームページも、レーススケジュール、レースビデオ、写真ギャラリー、プレッチャー調教師への質疑応答コーナーを掲載するだろう。NTRAは同馬のグッズのアイデアを検討している。
By Pete Denk
[Thoroughbred Times 2007年6月23日「Rags to Riches supplies great story line for racing」]