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海外競馬ニュース
2007年10月05日  - No.38 - 1

砂漠の馬、パリに到来(カタール)[その他]


 ロンシャン競馬場は9月9日、カタール色いっぱいになり、アラブ馬のレースがいくつか開催される。カタール首長の弟で元首相のアブドラ・ビン・ハリー ファ・アール=サーニー(Abdullah Bin Khalifa Al Thani)殿下の10年来の専属調教師であるアルバン・ドミユール(Alban de Mieulle)氏は、アラブ馬の特徴とカタール競馬の状況を伝える親善大使である。

 同氏は、1995年からカタールの首都ドーハから40 kmのところにある調教施設で、アール=サーニー殿下が所有する約50頭の馬を管理している。毎年彼は、カタールの競馬シーズン終了と同時に、約10頭の 馬とともにコワラフォレ(Coye-la-Foret シャンティイの森の中にある村)に滞在する。ドミユール氏は、「暑さと湿気のために、カタールでは 早朝に調教します(9月頃であれば午前3時半)。20分の歩行と45分の騎乗調教のあと、馬たちは円形プールで数分泳いでくつろぎます」と述べる。

 1999〜2000年にトルコで調教活動したあと、ドミユール氏は殿下の要求にこたえてドーハに戻った。今年の1月から彼の役割は増えた。「私は1月以 降、厩舎に加え、生産牧場の管理も任されています。私たちはイギリスのリングフィールド近郊に種馬場を所有しており、デジャベルアメール(Djebel Amer)、ニザム(Nizam)、マクザン(Makzan)、コンコルド(Concorde)の5頭の種牡馬を繋養しています。繁殖牝馬はカタールとイ ギリスに分けて保有しています。厩舎は今では種付事業だけでなく、毎年ドーハで行われるセリで牧場の産馬を販売することで収益を上げています。

 カタールのアラブ馬の成績は、彼らが世界最高クラスであることを証明している。「この高いレベルは、ドルマーヌ(Dormane)やマンガナット (Manganate)などのフランスの馬との交配を実施したおかげで達成することが出来ました」。実際に6〜9月のヨーロッパ競馬で、カタールの馬たち が活躍している。「最良質馬をフランスに連れてきましたし、フランスで調教した3歳馬も数頭います。最優秀騎手ダヴィッド・ブーラン(David Bouland)騎手、最優秀調教助手エリック・ヴァントゥルー(Eric Ventrou)氏そして3人の厩務員が馬たちに同行します。ヨーロッパ競馬に出走する目標は、トルコで9月9日に施行されるマラズギルト杯 (Malazgirt Trophy)に参戦することにあります。このレースは私たちがカタールに帰る前の最終戦です」。

 同氏はアラブ馬について、「彼らは見かけ以上にタフですが、出走レースをうまく調整しなければなりません。彼らを理解してやれば、答えてくれます」と述べた。

カタールの開放

 フランスギャロ(France Galop)とカタールの間のパートナーシップは、アラブ馬に重点が置かれているが、サラブレッドも含まれている。デミユール氏は、「現在カタールではア ラブ馬のレースが全体の60%、サラブレッドのレースが40%を占めています。サラブレッドへの投資は増加傾向にあります。私たちもアルゼンチンで購入し た繁殖牝馬から生まれたサラブレッドを数頭所有しています。ハリーファ殿下はカタール競馬の偉大な擁護者です。ハリーファ殿下、ファーレハ・アル=サー ニー(cheikh Bin Faleh Al Thani)殿下とルイ・ロマネ(Louis Romanet)氏は協議のうえ3年間のパートナーシップ契約に署名し、事業を始めました」と述べた。9月7、8日にロンシャン競馬場でカタール展が開催 される。来場者は絵画、彫刻、馬具、水煙管、織物、香料、焼菓子を通してカタールの伝統と文化に触れることができる。9月9日はアラブ馬の展示も行われ る。

 

By Adeline Mouatadiri


[Paris Turf 2007年9月6日「Les Chevaux du desert aux portes de Paris」]


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