ディラントーマス、カルティエ賞を受賞する(イギリス)[その他]
11月15日、ロンドンのメイフェアにあるフォーシーズンズホテルにおいて、ディラントーマス(Dylan Thomas)がカルティエ賞の最優秀馬賞(Cartier Horse of the Year)を受賞することが発表された。このシーズンにおける同馬の能力の高さとラムタラ(Lammtarra)以来同一年度にキングジョージと凱旋門賞を勝った快挙に対して、この賞が与えられることとなった。
ディラントーマスは、強力なライバルであるマンデュロ(Manduro)、オーソライズド、ピーピングフォーン、ラモンティ(Ramonti)を抑えてこの賞を獲得した。
デインヒル(Danehill)の牡馬である同馬は、今シーズンにGI 8レースに出走し、キングジョージや凱旋門賞を含む4つのレースに優勝した。キーレン・ファロン(Kieren Fallon)騎手は、自分が騎乗した中で最も優良馬であると述べた。
ディラントーマスは、初年度(1991年)のアラジを筆頭に、ロックソング、デイラミ、ロックオブジブラルタルおよび2004年と2006年に受賞したウィジャボードが載るこの輝かしい受賞馬リストに加わる。
競馬界の最高賞と言われる8部門のカルティエ賞は、重賞競走のポイント、20人の有能な委員で構成されるカルティエ競馬委員会の意見、レーシングポスト紙とデイリーテレグラフ紙の読者の投票を総合して決定される。
エイダン・オブライエン(Aidan O’Brien)調教師とクールモア牧場チームすなわちジョン&スー・マグナイアー(John and Sue Magnier)氏、マイケル・テイバー(Michael Tabor)氏とデリック・スミス(Derrick Smith)氏は、競馬界からの招待客約300人を前にして4部門のカルティエ賞を受賞し、彼らにとって最高の夜となった。
またディラントーマスは、マンデュロ(Manduro)とラモンティ(Ramonti)そして同厩馬であるイエーツを抑えて最優秀古馬賞(best older horse)も獲得した。イエーツは、アスコット・ゴールドカップの2年連続優勝により最優秀長距離馬賞を獲得した。
ピーピングフォーンは、ダージマ(Darjima)、ミセスリンゼイ(Mrs Lindsey)、フィンスシアルビオ(Finsceal Bio)、ライトシフト(Light Shift)を抑え、最優秀3歳牝馬に選ばれ、これによりクールモア牧場とオブライエン調教師が組むバリードイル勢にとって4つ目のカルティエ賞を受賞した。同馬はアイルランドオークス、ナッソーステークスおよびユークシャーオークスを制した。
英国ダービー勝馬で、ピーター・チャプルハイアム(Peter Chapple-Hyam)調教師の管理馬であるオーソライズドは、コックニーレベル(Cockney Rebel)、エクセレントアート(Excellent Art)、リトゥラト(Literato)およびソルジャーオブフォーチュン(Soldier of Fortune)を抑え、最優秀3歳牡馬に選ばれた。
ジム・ボルジャー(Jim Bolger)調教師の管理馬では、11月15日、昨年の最優秀2歳牡馬賞と最優秀2歳牝馬賞の獲得に続き、無敗のニューアプローチが最優秀2歳牡馬賞に選ばれた。
またボルジャー調教師は、シーシャアブー(Saoire Abu)が最優秀牝馬賞を獲得する見込みがあったものの、この賞は、パスカル・バリー(Pascal Bary)調教師のチェヴァリーパークステークスの勝馬ナタゴラ(Natagora)に授与された。
短距離部門においては、バリー・ヒルズ(Barry Hills)調教師のヘイドック競馬場でのベットフレッドスプリントカップの勝馬レッドクラブスが受賞した。
人の業績に対する功労賞(Cartier/Daily Telegraph Award of Merit)は、馬主で生産者であるニアルコス一族に贈られた。この賞は過去には、フランキー・デットーリ(Frankie Dettori)騎手、レスター・ピゴット(Lester Piggott)騎手、アガ・カーン(Aga Khan)殿下などに贈られている。
2007年 カルティエ賞 | |||
最 優 秀 馬 | (Horse of the Year) | ディラントーマス | (Dylan Thomas) |
最 優 秀 古 馬 | (Older Horse) | ディラントーマス | (Dylan Thomas) |
最優秀3歳牡馬 | (Three-year-old colt) | オーソライズド | (Authorized) |
最優秀3歳牝馬 | (Three-year-old filly) | ピーピングフォーン | (Peeping Fawn) |
最優秀長距離馬 | (Stayer) | イエーツ | (Yeats) |
最優秀2歳牡馬 | (Two-year-old colt) | ニューアプローチ | (New Approach) |
最優秀2歳牝馬 | (Two-year-old filly) | ナラトガ | (Naratoga) |
最優秀短距離馬 | (Sprinter) | レッドクラブス | (Red Clubs) |
功 労 賞 | (Cartier/Daily Telegraph Award of Merit) | ニアルコス一族 | (Niarchos family) |
歴 代 最 優 秀 馬 | ||
1991 | アラジ | (Arazi) |
1992 | ユーザーフレンドリー | (User Friendly) |
1993 | ロックソング | (Lochsong) |
1994 | バラシア | (Barathea) |
1995 | リッジウッドパール | (Ridgewood Pearl) |
1996 | エリシオ | (Hellissio) |
1997 | パントルセレーブル | (Printre Celebre) |
1998 | ドリームウェル | (Dream Well) |
1999 | デイラミ | (Daylami) |
2000 | ジャイアンツコーズウェイ | (Giant’a Causeway) |
2001 | ファンタスティックライト | (Fantastic Light) |
2002 | ロックオブジブラルタル | (Rock Of Gibraltar) |
2003 | ダラカニ | (Dalakhali) |
2004 | ウィジャボード | (Ouija Board) |
2005 | ハリケーンラン | (Hurricane Run) |
2006 | ウィジャボード | (Ouija Board) |
2007 | ディラントーマス | (Dylan Thomas) |
By Bill Barber
[Racing Post 2007年11月16日「Dylan Thomas lands double accolade on a memorable night for Ballydoyle」]