アグネスゴールド、フロリダ州オカラで種牡馬入り(アメリカ)[生産]
6年前、ロイ・ラーマン(Roy Lerman)氏は、サラブレッド事業の拠点をバージニア州のミドルバーグからフロリダ州のオカラに移した。同氏が選んだ牧場は、故アラン・ポールソン (Allen Paulson)氏が所有していたブルックサイド牧場(Brookside Farm)である。この土地と施設は、過去数十年間、再三所有者が変わっており、今年初めにも再び所有者が変わることとなった。ラーマン氏はこの牧場の名 称をラムホルム・サウス(Lambholm South)牧場とした。この場所は旧ホボウ牧場(Hobeau Farm)の西方約1キロにある。ジャック・ドレフュスJr.(Jack Dreyfus Jr.)氏が所有する1,700エーカー(770 ha)の広さのあるホボウ牧場は、ほぼ半世紀前からオカラにある。
ラムホルム・サウス牧場は6頭の種牡馬を繋養しており、まもなくもう1頭の種牡馬が入厩する。現在繋養中のアリスウィープ(Alysweep)、エクス プレスツアー(Express Tour)、リーディングザパレード(Leading the Parade)、リドパレス(Lido Palace)、マックスパル(Max’s Pal)およびセーフ(Safe)の仲間に入るのは、アグネスゴールドである。
アグネスゴールドは、サンデーサイレンス産駒で重賞競走で勝馬のうち、フロリダ州で供用される初めての馬である。同氏は、新しく入厩するアグネスゴール ドのファミリーはすべてフロリダ州に関係しており、近親にファピアーノ(Fappiano)および生涯賞金100万ドルを超えるクラバーガール (Clabber Girl)がいるとラーマン氏は述べている。
アグネスゴールドは、社台ファームの吉田照哉氏による生産・所有で出走した。2歳時1戦1勝の鹿毛の同馬は、3歳時に6戦3勝し、2着1回であった。同馬が優勝したレースには、G2競走(1 1/16マイル)とG3競走(1 3/16マイル)がそれぞれ1回含まれている。同馬の生涯獲得賞金は、約110万ドルである。
ラーマン氏は、「吉田氏は、種牡馬入りさせるために同馬を引退させ、その後同馬は種牡馬として好評を博しました。今年45頭の初産駒が日本でデヴューすることになっています」と述べている。
日本で種牡馬としての成績を残す前に同馬をアメリカに移籍する理由を尋ねられたラーマン氏は、「同馬の父で2002年に死亡したサンデーサイレンスは日 本で26頭のGI競走優勝馬を輩出していると聞きました。日本にはグレード競走に優勝したアグネスゴールドの全兄弟が2頭いるため、吉田氏はアメリカとい う新天地で新鮮な種をまくことに経済的な意味があると思ったのだと理解しています」と述べた。
ラーマン氏は、次のようにも述べている。「もっともなご質問です。サンデーサイレンスは芝ホースの種牡馬として成功を収めましたが、これはアメリカ以外 の世界最高のレースのほぼすべてが芝コースで施行されていることからです。しかし、サンデーサイレンス自身はダートのケンタッキー・ダービーとブリーダー ズカップ・クラシックに優勝しています。」
「アメリカ競馬は、人工馬場に移行しています。あらゆるタイプの馬場に適合すると見られる血統の馬には、大きな需要があります」。
アグネスゴールドは1月末に日本を出発し、ニューヨーク州で検疫を受けた後、2月初めにオカラのラムホルム・サウス牧場に到着の予定である。
同馬は、生仔保証5,000ドル(約60万円)の種付料で供用され、産駒のためにブリーダーズカップとフロリダ・スタリオン・ステークスに登録されることになっている。
ラーマン氏は、「アグネスゴールドが、フロリダへ来るときには種付シーズンが始まっておりやや遅いのですが、同馬がフロリダにもたらすものを考えれば、十分に歓迎されると確信しています」と述べている。
(1ドル=約120円)
By Dave Goldman
〔Daily Racing Form 2007年1月28日「Fresh from Japan to the Sunshine State」〕