サラブレッド生産者協会の役割が高まる（イギリス）［生産］
サラブレッド 生産者協会（Thoroughbred Breeders’ Association: TBA）は、英国競馬統括機構（British Horseracing Authority: BHA）が創設されたことを受けて、TBAは広範囲な責任を負うことになった旨を1月9日にロンドンで開催されたTBAの年次総会でメンバーに伝えた。
TBA会長のフィリップ・フリードマン（Philip Freedman）氏は、TBAの評議会メンバーとして再選されたカールステン・ラウジング（Kirsten Rausing）氏が2008年に自分の後継者となる旨を明らかにした上で、TBAがBHAの保証団体として関与することを歓迎し、TBAが関与すること になると思われる新たな分野について説明した。
意思決定から派閥的な利害を排除すべきだったと発言したBHAの次期会長ポール・ロイ（Paul Roy）氏の前で、フリードマン氏はBHAが英国競馬公社（BHB）の業務を引き継いだことは、“TBAの政治的地位を著しく高めた”と述べた。
同氏は、次のとおり付け加えた。「我々はBHBに理事を出していたとき、株主でなかったため、我々は常に弱くて無視されがちでした」
「我々はBHAに代表を出しませんが、TBAがBHAの保証団体になることによって、ある意味で規制の当事者としての地位が初めて我々に与えられることになり、さらに重要なのはTBAの地位がBHAの新規約に定められるという保証が我々に与えられることです」。
同氏は、BHAがBHBの業務を引き継いだことにより、BHAにはとりわけマーケティングにおいて新たな責任がもたらされたと認識しており、生産者がイ ギリスのサラブレッド取引の振興を期待するならば、かなりの資金をこの分野に注入しなければならないだろうと述べた。
同氏は、金を支払っている人々の上に多くの生産者がただ乗りしていて、善意の売上賦課金は不足しているけれども、資金調達は可能であること、そして専務 理事のギャビン・プリチャード=ゴードン（Gavin Pritchard-Gordon）氏が“イギリス・サラブレッド大使”としての仕事を自分の役割に加えるであろうと付け加えた。
フリードマン氏は、「主要な海外競馬、国際的なセリおよび展示会に出席した調教師や生産者は非常に長い間、イギリスのサラブレッド販売努力の欠如とアイ ルランドの継続的なマーケティング活動との格差を実感してきました。これからはそんなことはなくなるでしょう」と述べた。
しかし、同氏は公正が伴わなければマーケティングが十分であるとは言えませんと語った。
同氏は、「イギリスのサラブレッド取引が最高の公正規準を有するとして受け入れられた場合にのみ、我々の成功があります。」と述べた。
「サラブレッド業界の行動規範に基づく正式な調査が行われていないことが、行動規範の問題がなくなったことを示していると信じるのは自己満足であると思 います。それはアイルランド・ターフ・クラブ（Turf Club）に3年前に共同行動規範導入の話を持ちかけた際、アイルランドは『賄賂はイギリスの売り手と調教師によって引き起こされた問題である』と主張し ましたが、それと同じことです」。
同氏は、次のとおり付け加えた。「イギリスの法律は我々の業界に適用されるのと同じように他の業界にも適用されることを認識しなければなりません。違法行為を慣例として許すのは、サラブレッド業界の恐るべき欠陥を示すことになります」。
「BHA内で規則によって我々の地位が明確になったことによって、我々の利益が正式に認識されたように、生産と売買を正しい規則の中におかなければ正当な利益は得られないことを我々は認識しなければなりません」。
同氏は、「最初のステップとして、売り手と買い手がこの分野の法律をよく理解するための最善策を検討するためにTBAはBHAの関係者と会合を開く予定です」と述べた。
フリードマン氏は、2006年にTBAのメンバーが153人減少して2,711人になったことを指摘し、TBAに新しいメンバーを加入させたいと述べて 挨拶を締めくくった。同氏は、次のように述べた。「メンバーの減少は、長期的な問題です。若い人々のサラブレッド業界へのかかわりが減ることを暗示してお り現実味のある懸念です」。
「この問題は、一夜にして処理することはできませんが、問題が解決された場合にのみ、我々の商品の信頼性についてイギリス生産界の将来に自信を持って期待することができます」。
By Howard Wright
〔Racing Post 2007年1月10日「BHB replacement has ‘significantly boosted’ political position: Freedman」〕
