パリミューチュエル勝馬投票控除金の新配分方式(フランス)[開催・運営]
フランスのパ リミューチュエル勝馬投票に対する控除率を定める新規則が1月1日から発効し、国庫と協会間で分けられる控除金配分が単純な定率とされた。それぞれの受益 者(馬券的中者、国、競馬協会)の取分総額は影響を受けないが、この定率化によって場外馬券発売公社(PMU)の営業戦略にこれまでよりももっと多くの自 由度が与えられることになるだろう。
ルイ・ロマネ氏は次のように語る。「当初、国務院(Conseil d’Etat)は控除の仕組みが財政基本法と矛盾すると考え、改正するように強く勧告しました。一方、PMUは控除金に関する規定が硬直的であることに不 満がありました。単純投票法(単勝式と複勝式)から5連勝式(配当金にPSP累進課税適用)までたくさんある勝馬投票法毎の控除率がかなり異なっているこ とから、PMUは投票法毎に控除率を改正する必要が生じるたびに法律的にやっかいな問題に直面しました。それでも実際に単純投票法に対する控除率の引下げ 再調整により、その人気を回復することができ、大変なプラス効果をもたらしたことを思い出します。新配分方式は国庫に対しても馬券的中者に対しても、見込 まれる取分を保証しながら、PMUに対しては、その枠内でより柔軟に活動できるようにし、今よりも反応の速い積極的な商業活動手段を与えられるという点に おいて革新的です」。
パリミューチュエル勝馬投票の売上増加策を考える側の人々が、他の商業活動におけるのと同じ様に、世界中の気まぐれな賭の顧客は“何か安売り的なものを探し求めている”と捉えているのは確かである。
例えば、合法的な同業者と比べて法外な利益をちらつかせる非合法ライバルとの競争に時折さらされる。このような状況のために、香港ジョッキークラブは、 例えば、大口の顧客一口の賭1,000ユーロ(約150,000円以上)に対して馬券が不的中の時は10%の割戻しに応じることを決めた。これはしばしば 非合法のインターネットサイトが取っている商法である。確かにフランスのパリミューチュエル勝馬投票はそこまでの状況には至っていないが、今回の国・協会 間の新配分方式はPMUに対してより柔軟な営業活動を認めることになるだろう。
2007年初頭から実施されるこの変更は、国務院の要請とPMUの願望を共に満たすものである。
新配分方式により、投票法や投票場所に関係なくこれまでの煩雑さに比べたら新しい「総控除額」の32.73%という国にとって一本化された配分率が設け られる。「総売上高」は正確に言うと(全体を100とした)賭金総額から社会保障控除1.68%および馬券的中者への払戻金を、従来と同様に単純投票で 82.81%他の投票法で74%差し引いた残りの金額をいう。
総控除額のうち、国が32.73%を、競馬協会は残りの67.27%を受け取る。競馬協会はこの財源をPMU網と競馬機構(管理、組織、競走賞金)への 資金供給のために使用する。そうは言っても、国が32.73%で協会が67.27%という割合は付加価値税(TVA)が課税される前の最初の計算段階でし かない。すなわち最終的には国が43.75%競馬協会56.25%となる。
(1ユーロ=150円)
[Paris Turf 2007年1月14日「A l’heure du solde, sinon des soldes……」]