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海外競馬ニュース
2008年03月13日  - No.10 - 1

NYRA、4月まで暫定的競馬運営権を延長(アメリカ)[開催・運営]


 ニューヨーク競馬協会(New York Racing Association: NYRA)の現在の暫定的競馬運営権は3月7日に期限切れとなるので、新たに25年間の運営権が正式に発効するまでの間、4回目の暫定的競馬運営権の延長が必要となる。運営権の正式発効はおそらく、アケダクト競馬場での今開催が終了する4月27日以降になると思われる。

 NYRAはニューヨーク州との間で訴訟が継続中であるが、民事再生手続きを終結させる前に、この訴訟についての和解契約をまとめあげる必要がある。

 当初3月5日に予定されていた民事再生計画の承認公聴会は、3月19日に開かれる予定である。裁判所は、NYRAから提出される再建計画について、これが債権者への支払い方法など企業を再建するための戦略を詳細に練り上げたものであるか確認しなければならない。

 NYRAの商行為を監視している州の非営利競馬協会監督委員会(Non-Profit Racing Association Oversight Board)は3月7日、州都オールバニでの会議において新たな暫定的競馬運営権延長を承認する予定である。

 同委員会の議長スティーブ・ニューマン(Steve Newman)氏は、再延長が承認されるのに全く問題はないだろうと述べ、「異論も深刻な問題もありません」と語った。

 2月12日に州議会が新たな25年間の競馬運営権を承認したが、これが発効するまでには、さらに細部を詰めなければならない。

 NYRAのチャールズ・ヘイワード(Charles Hayward)会長は、「25年間の競馬運営権の獲得についてはすでに決定済みです。いつ発効するかの問題であり、決定に変更はありません。NYRAと州の間には問題はありません」と述べた。

 州議会では3月中に、アケダクト競馬場におけるゲーミング営業権について業者指名が行われる見込みである。ヘイワード会長は3月4日、スロットマシンが運営できればNYRAは赤字から抜け出すだろうと述べた。

 民事再生手続を終結させれば、2007年にNYRAを苦しめた莫大な裁判費用の一部の支払いが可能となるだろう。NYRAは2007年だけで、民事再生手続に800万ドル(約8億8,000万円)以上の経費を費やした。

 競馬運営権契約により、NYRAは2億ドル(約220億円)の州債務を解消し、その結果年間400万ドル(約4億4,000万円)の利子支払いがなくなる。また、アケダクト競馬場とベルモントパーク競馬場のある、クイーンズ郡とナッソー郡の未払いの財産税400万ドル(約4億4,000万円)を清算できるだろう。

 ヘイワード会長はまた、NYRAは新たなスポンサー収入による300万ドル(約3億3,000万円)とTVG社のような会員制賭事会社に対するサイマルキャスト料の増加を期待していると述べた。

 さらに、ヘイワード会長は、NYRAは300〜500万ドル(約3億3,000万〜5億5,000万円)の経費削減をしなければならないと述べた。同会長は、競馬運営権が正式発効前にそれ以上の詳細な情報を明らかにすることを控えた。

 2月の最後の週、破産裁判所はNYRAが売却するアケダクト競馬場周辺の66区画の地所の評価額300〜500万ドル(約3億3,000万〜5億5,000万円)を承認した。NYRAは、その地所の所有権に関するニューヨーク州との間の紛争により、売却を阻まれていた。

 ヘイワード会長は、「現在の地価を調査するのは少しばかり困難なことでした。散在している売却対象の地所は競馬に全く関係しておらず、アケダクト競馬場とは隣接していません」と述べた。

 NYRAの広報担当部長ジョン・リー(John Lee)氏は、これらの区画は住宅地域にあり、アケダクトから見て地下鉄の反対側にあると述べ、「私たちにとっては、固定資産税を払わされてきた厄介者みたいなものでした」と付言した。

 ヘイワード会長は、25年間の競馬運営権契約は、営業年度を考慮して4月1日かその前後になるだろうと述べた。しかし、暫定契約の延長は、アケダクト開催が終了する4月27日まで続くだろう。ベルモントパーク競馬場で行われる春夏開催は4月30日の開始が予定されている。

By Paul Post
(1ドル=約110円)

[thoroughbredtimes.com 2008年3月5日「NYRA to sign short-term extension」]


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