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海外競馬ニュース
2008年04月17日  - No.15 - 1

ニューマーケットの遺産を守る戦い(イギリス)[その他]


 馬主協会(Racehorse Owners' Association)の理事メンバーであり、レーシング・エンタープライズ社(Racing Enterprises Ltd.)の役員でもあるレイチェル・フッド(Rachel Hood)氏は、“歴史的なニューマーケットを保存する活動グループ”を結成し、町の遺産を守るために活動を始めた。

 このグループには、タタソール社(Tattersalls)の販売部長であるジミー・ジョージ(Jimmy George)氏、ジェフ・ラグ(Geoff Wragg)調教師の妻のトリッシュ・ラグ(Trish Wragg)氏も参加している。

 このグループを結成させる原因となったのは、保護地区内のベリーロードのザ・ゲーブルズに20棟以上のアパートを建設する計画が物議を醸したことである。フォレストヒース市議会(Forest Heath District Council)は、当初、計画の受入を拒否した。樹木が伐採されることが、その拒否の理由の1つであった。だが、開発業者であるハイランド社(Highland)への拒否通知が遅れたことから、開発業者が国務大臣に審査請求し、開発計画が許可されたのである。

 ジョン・ゴスデン(John Gosden)調教師の妻であるフッド氏は、「超モダンなアパートを建設するために、50本以上の木が切り倒されてしまいました。アパートは、この地域の美しい景観との調和がまったくとれていません」と述べた。

 「保護地区内でこのようなアパートの建設が許可されたのはショックです。樹木を残すとアパートの日照が遮られるとの理由で業者の訴えが認められたようですが、実際には遮られていないのです」。

 「私たちは、是非ともこの開発を阻止したいと思っています。そして、このような出来事は、今後、二度と起こって欲しくありません。ニューマーケットの遺産を守ることについては、深刻な問題が発生しています」。

 フッド氏は、市議会が町の遺産を守ることができず、更には残すべき2本の木までも伐採を許してしまったことに批判的である。

 ウェブサイトでは、このベリーロードが“ヴィクトリア朝時代やエドワード朝時代の住宅や厩舎が非常に多い英国競馬の最も重要な通りである”と説明されており、この開発に反対する請願書に署名するよう、支持者への呼びかけが行われている。

 ハイランド社が当初、提出した設計では、周囲の景観により相応しい“エドワード朝風の建物”が想定されていた。

 この地域出身のリチャード・スプリング(Richard Spring)下院議員は、フッド氏への書簡の中で、“景観の観点から、また、成木が伐採されていることから、この開発には懸念を持っている”と伝えた。

 フォレストヒース市の都市計画委員会の議長であるロナ・バート(Rona Burt)市議会議員は、「ザ・ゲーブルズに関する決定手続きは中央政府の調査官が行いました。当初の設計に戻すことも言及されていますが、問題は複雑です」と述べた。

 バート議員は続けて、「私たちは、ニューマーケットの歴史的特性を認識しています。そして、ニューマーケットに相応しいかどうかを判断するために、すべての申請を注意深く審査しているのです。でも、一方で、この町が21世紀のニーズを満たすことができるようにする必要もあるのです」と語った。

By David Ashforth

[Racing Post 2008年3月23日「HQ action group go into battle on town's heritage」]


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