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海外競馬ニュース
2008年05月15日  - No.19 - 4

セントキッツに流出する売上金(アメリカ)[その他]


 米国がインターネット賭博禁止法で競馬を巧妙に適用除外にしたことから、レーシング・アンド・ゲーミング社(Racing and Gaming Services: RGS)のような会員制電話投票リベートショップは、海外で運営を続ける理由はないように思われる。

 しかし、RGSのジョン・ブルックス(John Brooks)会長は、カリブ海に浮かぶセントキッツから免許を受けている同社としては、当面は国外に移動することはないと述べ、その理由として、免許を与えてくれたセントキッツへの恩義をあげた。

 同会長は、「当社のリベートモデルをさまざまな国に提案した時、多くの国から引き合いがありましたが、セントキッツの条件が唯一私たちの運営に適していました。そこでセントキッツで賭事免許を取得し、10年来事業を行っており、現地に29名の社員がいます。その中には創業以来ずっと勤務している社員もいます」と語った。

 ブルックス会長は、3月末の北中米競馬委員会協会(Association of Racing Commissioners International: RCI)の会議でRGSについての情報を公表した。また、1月にはRGSの最高経営責任者カーク・ブルックス(Kirk Brooks)氏が、全米馬主・調教師福祉保護協会(National Horsemen’s Benevolent and Protective Association)で講演した。

 RGSの賭事客は2003年にはおよそ120人/日いたが80人/日に減少し、売上げも1年で2億ドル(約220億円)減少した。しかし、RGSは依然として驚異的な売上げをあげており、RCIの会議で公表された数字によれば2007年は約4億5000万ドル(約495億円)に上る。

 ブルックス会長は、「当社は創業以来ずっと、顧客が発走時間の後でも賭けを行ったり、賭事プールを操作したり、あるいは何らかの形でシステムを悪用しているという中傷を数多く受けました。これは全く事実無根です。もし当社が不祥事を起こせば、顧客を失うという高い代償を払うことになります。だから、公正確保に積極的に取組んでいます」と語った。

 ラスベガスの米連邦検事事務所(U.S. Attorney's Office)は、所有者のユーベットコム社(Youbet.com Inc.)が2月に閉鎖した、カリブ海キュラソー島を本拠とする海外賭事業者インターナショナル・レーシング社(International Racing Group)の顧客を、連邦賭博法あるいはネバダ州賭博法に違反する行為があったかどうか調査するなど、海外リベートショップに対する取締を強化している。3月にユーベットコム社は連邦当局の捜査に協力することに同意したため、見返りとして告訴されない模様である。

By Frank Angst
(1ドル=約110円)

[Thoroughbred Times 2008年4月12日「RGS loyal to St. Kitts location」]


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