デラウェアパーク競馬場におけるスポンジ事件の捜査続く(アメリカ)[その他]
アイオワ州の馬主サンドラ・ラスムッセン(Sandra Rasmussen)氏は、所有馬の1頭がデラウェアパーク競馬場における“スポンジ”事件の被害に遭ったと語った。2007年10月16日のレース後、同氏の優秀な牝馬マレンズメドウズ(Maren’s Meadows)の片方の鼻孔の奥から小さいスポンジが見つかったのだ。詰められたスポンジが呼吸の邪魔になり、マレンズメドウズはオッズ約1.1倍の本命馬であったが、3着に終った。
ラスムッセン氏は、「これはとても気に障る事件です。なぜ不正行為をしなければならないのか?彼らの行為に憤りを感じます。もし、これが原因でマレンズメドウズが倒れていたら、この細工をした者たちは騎手の命をも危険に晒したでしょう」と語った。
スポンジを詰める事件は、1997年にケンタッキー州で何件か発生している。ニューメキシコ州でも1件発生しているが、この事件では、調教師が5年間の業務停止処分を受けた。2001年にはサンタアニタパーク競馬場において2頭の馬の鼻孔にスポンジが見つかったため、これらの馬は出走を取り消された。
デラウェア州警察とサラブレッド競馬保安協会(Thoroughbred Racing Protective Bureau)が、この事件を捜査している。デラウェアパーク競馬場の最高執行責任者のビル・ファジー(Bill Fasy)氏は、同競馬場は両機関の捜査に協力していると述べた。
ファジー氏は12月8日の声明において、「関与者の追及が進んでおり、正義が勝つと確信しています。デラウェアパーク競馬場は、サラブレッド競馬の伝統を守っていますし、競馬の公正確保に断固として全力を尽くします。捜査が進行中なので、これ以上のコメントは控えます」と語った。
ラスムッセン氏の話では、ラリー・ジョーンズ(Larry Jones)調教師は、彼の助手たちの誰もこの件に関与していないと確信している。
10月16日のレース後、マレンズメドウズの鼻孔から粘液が流れ出した。同馬の関係者は膿瘍ができているかもしれないと心配し、同馬をレキシントンのルード・アンド・リドル動物病院(Rood and Riddle Clinic)に入院させた。36時間抗生物質が投与されたが、症状が改善しなかったため、獣医師たちが手術を行ったところ、予期せぬものを発見したのだ。
ラスムッセン氏は、「膿瘍を取り除こうとしたのに、そこにあったのはスポンジでした。台所で使うようなスポンジではなく、小さく均一な穴のあるスポンジでした。内視鏡の様な器具がなければ鼻孔のなかを覗き込むことはできません。肉眼ではそれを見つけることはできませんでした」と述べた。
デラウェアパーク競馬場のジョーンズ調教師の厩舎の外には24時間警備員がおり、誰がどのように侵入したか今後の解明を待たなければならない。
By Dan Johnson
[The Blood-Horse 2007年12月15日「Delaware Park ‘Sponging’ Incident Reported; officials continue investigation」]