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海外競馬ニュース
2008年07月03日  - No.26 - 3

BHA、競馬場内の監視カメラの改善へ(イギリス)[その他]


 英国競馬統括機構(British Horseracing Authority: BHA)の警備活動に関する報告を、前警察本部長エリザベス・ネヴィル(Elizabeth Neville)氏が最近公表した。この報告によって、競馬場の警備は十分効果的になされていないのではないかという懸念が生じ、BHAにイギリスの競馬場のCCTV(Closed Circuit Television監視用有線テレビとカメラ)システムを改善するよう促す結果となった。

 ネヴィル氏は報告で、時代遅れの機材、不十分なカメラの配置、脆弱なシステムが浮き彫りにされ、大事件が起きても発見されないかもしれないと指摘した。

 この報告書では検量室と厩舎地区におけるCCTVシステムを再検討し、このシステムをあらゆる場所で適切な水準に向上させるべきであると勧告している。

 競馬賭事賦課公社(Levy Board: 賦課公社)は2004年に、競馬場・厩舎におけるCCTVシステムの性能を向上させるための資金を提供している。BHAは改善内容を決定した後、賦課公社に融資を求めることになるだろう。

 ネヴィル氏は検量室で使用されているVHS (磁気テープ録画)システムは時代遅れと指摘し、厩舎地区に設置されているデジタル録画システム(ネヴィル氏は“おおむねその製品は良い”と評価している)と同じものに代えるよう要望している。

 しかし、ネヴィル氏の報告は、厩舎地区についても、しばしばカメラの数が十分でないため、“カメラが厩舎の内面よりも厩舎の外面に向けて設置されている”、“カメラがカバーする範囲が広すぎて、時折、映像が不鮮明で、人物を特定することはおろか、どの厩舎に人が立ち入ったのかさえ正確に見分けるのが難しい”、“デジタル・システムであっても物体を特定するのは非常に困難である”と指摘している。

 BHAのスポークスマン、オーウェン・バーン(Owen Byrne)氏は、「BHAは、最高技術を備えて脅威に対応できるよう常にチェックをしています。ネヴィル氏の指摘を受入れ、プロジェクトに盛り込みました。その中には厩舎地区の映像をインターネットを通じて監視するシステムの試行も含まれ、このシステムはCCTVと接続されます」と語った。

 バーン氏は、CCTVがすでに数多くの調査で重要な役割を演じてきたことを指摘した。それには、デーヴィッド・フラッド(David Flood)調教師のドーピング事件、ジャーナリストのエイントリー競馬場厩舎への立入りによるセキュリティー違反事件、検量室における騎手たちと開催執務員たちの間で起きた数件の口論が含まれる。

 同氏はさらに、次のように付言した。「カメラの設置場所・方法については、どの規制区域でもですが、規制当局者が厩舎地区内での事件の発生率と発生可能性に基づくリスク分析を行わなければなりません。現在カメラを馬房の列を見下ろせるように配置しているのは、発生可能性からみて必要だからです。ネヴィル氏は情報収集の面でも問題があると指摘しています。仕事量から考えればこれは難問です。また情報収集でCCTVの設置の必要性が低下する訳ではありません。BHAは、現在使用している録画装置を改善し、調査員が競馬場に出掛けることなくBHAの本部で直接にダウンロードできるようなシステムについて所要経費の見積もりを依頼しています」。

By Graham Green

[Racing Post 2008年6月13日「BHA to update course CCTVs after critical Neville report」]


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