ニューマーケットの調教場、犬の散歩を禁止する可能性(イギリス)[その他]
ニューマーケットのヒース調教場で、犬をリードから放して遊ばせることが問題となっており、ジョッキークラブの最高経営責任者ウィリアム・ジッタス(William Gittus)氏は、ニューマーケットジャーナル紙(Newmarket Journal)に声明を発表した。
ジッタス氏の声明は、馬と騎乗者ばかりでなく一般人への危険性にかんがみ、調教場に立ち入る者は毎日午後1時までは犬をリードから放さないこととされており、この規則に従わない場合、調教場への立ち入りを禁止する可能性があるという内容である。
ジッタス氏は、「声明を出したのは、調教場は原則的に競走馬の調教のために存在するということをニューマーケットの人々に認識してもらい、事故の発生を避けるためです。犬をリードに繋ぐよう表示した標識を立てているのにそれを無視する人々がいます。犬をリードから放すと大変危険です。ニューマーケットの人々は、友人であり隣人ですので、ぜひヒース調教場を利用して楽しんで頂きたいのです。とは言え、関係者全員の安全に配慮する必要もあるのです」と述べた。
この問題は、全国調教師連合会(National Trainers’ Federation: NTF)のクリス・ウォール(Chris Wall)会長が提起した。同会長はさらに厳しい規制が導入されないよう、ジョッキークラブエステーツ社(Jockey Club Estates)の警告の効果に期待している。
ウォール会長は、「犬を連れて調教場に入る人が増えており、このままでは重大な事故が起こるのは時間の問題です。犬をリードから放して運動させる人や馬の通路を犬を連れて歩く人がいます。とにかく犬を馬に近づけすぎています。馬の感覚については、大多数の人は知識がありますが、一部の人は無知なのか、あるいは全くマナーが悪いのか、とにかく全員にルールを守ってもらうのは困難です。人々がこの警告を真剣に受け止めるよう希望しています。さもないといっそう厳しい規制を導入せざるをえなくなります」と語った。
ジェームズ・ユースタス(James Eustace)調教師は、ヒース調教場のサイドヒル地区が最も危険な地区であると指摘した。
同調教師は、次のように語った。「犬だけではなくジョギングをしている人も問題で、冗談では済まされなくなってきています。先週は、キャンター走路から少し入ったところで、2人の女性がトップレスで日光浴をしていました。人々が馬の感覚を知らないのであれば大変です。動物福祉法違反で告発される恐れもあります。自分の行動により生じうる結果に無頓着な人々もいるようですが、犬の飼主には法的責任があります。私はこの冬、女性が犬と一緒にジェームズ・ファンショー(James Fanshawe)調教師の管理馬2頭の間を歩いて行くのを見ました。いつ事故が起きるか分かりません」。
By Tony Elves
[Racing Post 2008年5月31日「Newmarket dog walkers could face ban」]