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海外競馬ニュース
2008年01月24日  - No.3 - 5

馬の排泄物からエネルギーを生み出す計画(アメリカ)[その他]


 フロリダ州サラブレッド生産者・馬主協会(Florida Thoroughbred Breeders’ and Owners’ Association: FTBOA)は、馬の排泄物から再生エネルギーを生み出すことを目指して代替エネルギー会社とベンチャー企業を発足させた。

 FTBOAとグローバル・グリーン・ソリューションズ社(Global Green Solutions: GGS)の契約は、フロリダ州の牧場や調教センターから排出された馬糞や寝藁から出る蒸気を利用する発電施設を設置し、地域の電力会社に売電することを内容とする。

 FTBOAとGGSは現在、新会社フロリダ・グリーンスティーム・エクワイン・エナジー社(Florida Greensteam Equine Energy)を設立する最終の詰めに入っている。上述の施設は、2008年末から2009年初めに運営が開始される予定である。

 FTBOAの上席副会長リチャード・ハンコック(Richard Hancock)氏によれば、新会社設立は、フロリダ州の牧場と調教センターから排出される年間10万トン超の馬の排泄物の処理方法を見つける長年の努力の結果である。馬産業の排泄物の約70%が肥料として利用されている。ハンコック氏は、「連邦法は、水質保全に対してより厳格な規制を行うよう州と郡に求めており、また、以前のように排泄物を酪農企業に送り、堆肥にしてもらうことは、地元の酪農産業の景気の悪化により、もはや解決策となりえません」と述べた。

 ハンコック氏は、「私たちの第1の目標は、水質を保全することです。そして第2の目標は、牧場の馬の排泄物をきちんと処理できるようにすることです。牧場は排泄物を輸送するのに運搬料を支払っていました。新会社の運営によってその経費を削減できれば、投資をした牧場に対して利益配当ができ、牧場の経営改善もできます」と語った。

 GGSは、温室効果ガス放出の減少を目指して代替エネルギー源を開発する、米国の上場株式会社である。GGSの燃料部部長であるネイサン・ドブーム(Nathan deBoom)氏は、「馬糞と寝藁を用いて、“馬堆肥バイオマス”と呼ばれるエネルギーを作るのは、我が社にとって最初の試みです。オカラでの運営が上出来であれば、馬産業にもっと売り込むつもりです」と述べた。

 ハンコック氏によれば、FTBOAは1996年から排泄物処理問題の解決策を検討しており、さまざまな案を調査したが、効果的なものが見つからなかった。

 FTBOAは1年以上GGSと会合を重ね、FTBOAの役員たちは今夏、カリフォルニアにあるGGSの施設を視察した。

 同氏は、「次の段階は、施設建設用地を見つけ、首尾よくマリオン郡から許可を得ることです。同郡は、新しいベンチャー企業が公害防止基準を満たしているかどうかを調査し判断するでしょう」と述べた。

 現在、水質保全を強化する郡の条例が審議中であり、その条例は2008年末に発効する見込みである。また、エネルギー買い取りのための新会社と地域の電力会社との契約も締結されるだろう。

 ハンコック氏は、「私たちは郡と共同で取組むつもりです。全員が解決策を探求し、私たちはその1つを見つけ出したと考えています。これは間違いを犯してはならない問題であり、大変重要です」と述べた。

By Ted Geltner

[The Blood-Horse 2007年11月24日「Breeders’ group in deal to convert equine waste to energy」]


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