メリーランド州、賞金資金不足のため重賞競走を休止(アメリカ)[開催・運営]
メリーランド・ジョッキークラブは8月6日、ピムリコ競馬場の厩舎・調教施設を8月31日に閉鎖し、競走馬をローレルパーク競馬場とボウイ調教場(Bowie Training Center)の厩舎に移動させると発表した。
またメリーランド・ジョッキークラブは同日に、秋の重賞・特別競走番組を大幅に削減し、いくつかの競走を今年は休止すると発表した。その中には、メリーランド州で3つしかないG1競走の1つであるフランクJデフランシス・ダッシュS(G1:於ローレルパーク競馬場)が含まれている。
報道発表によれば、今回の措置の背景にはメリーランド州の賞金資金不足がある。
メリーランド・ジョッキークラブのトム・チャッカス(Tom Chuckas)会長は、「非常に嘆かわしいことですが、やむを得ません。近い将来、メリーランド州の競馬が近隣諸州の競馬に追いつき、フランクJデフランシス・ダッシュSを再び施行することが出来ると確信しています」と述べた。
秋の重賞・特別競走番組から外される他のレースには、2歳馬レースであるローレルフューチュリティSおよびセリマS、そして3歳牝馬レースのセーフリィケプトS(G3)が含まれている。2008年の番組で維持される特別競走は、10月4日に施行される州調教馬と州生産馬を対象とした特別競走(メリーランドミリオン:於ローレルパーク競馬場)のみとなった。
ローレルパーク競馬場の10日間の夏開催は、8月8日から8月21日まで行われる。同開催の終了後に、メリーランド州の競馬はティモニウム競馬場の7日間の州祭開催に移る。
ローレルパーク競馬場の9月4日から12月27日の17週間の秋開催では、水曜日から土曜日に競馬が施行される。この65日間の開催における重賞・特別競走番組の公式発表は、8月19日のメリーランド州競馬委員会(Maryland Racing Commission)の会合の後に行われる。
ピムリコ競馬場のサイマルキャスト発売は実施しているが、競馬開催が再開されるのは2009年4月である。ローレルパーク競馬場あるいはボウイ調教場に移動する馬は、メリーランド・ジョッキークラブの費用負担で輸送される。
チャッカス会長は、「ホースマンたちに不便を及ぼすことになるので、移動をスムーズにするために彼らに協力します。今回の措置は売上げ動向に基づく経営的判断です」と語った。
[thoroughbredtimes.com 2008年8月6日「Pimlico stables closed; Maryland stakes schedule cut」]