マグナ社、サンタアニタ競馬場の大半を売却か(アメリカ)[その他]
際限ない債務の増加と不動産市場の不況に直面して、マグナエンターテイメント社(Magna Entertainment Corp.: MEC)は、サンタアニタパーク競馬場の大部分を売却することを検討している。
8月6日の証券アナリストとの電話会議において、MECのフランク・ストロナーク(Frank Stronach)会長は、サンタアニタ競馬場の所有権のかなりの部分を売却することを検討すると述べた。同競馬場は1998年にMEC関連のマグナインターナショナル社(訳注:同社が母体となってMECが設立された)が初めて買収した競馬場である。
同会長は、「もしかすると、サンタアニタの所有権の50%あるいは60%を売却しなければならないかもしれません」と語った。
2007年9月に発表された債務削減計画の一環として、MECはこのサンタアニタ競馬場でのレース運営あるいはガルフストリームパーク競馬場でのゲーム運営のいずれかに共同事業者を迎える可能性がある。ストロナーク会長がこのサンタアニタ競馬場の所有権の売却について話すのは初めてである。
取引には競馬と関係のない財産が含まれているので、60%という数字は必ずしも競馬運営における支配権を示しているわけではない。
不動産市場と金融市場の低迷にもかかわらず、MECはポートランドメドウズ競馬場、ティッセルダウン競馬場およびレミントンパーク競馬場を売却することを確約している。MECは第2四半期にグレートレイクスダウンズ競馬場の売却を完了した。
この様な緊急対処を講じている理由は増え続ける債務にある。9競馬場の所有者であったMECは、2008年の初めの6ヵ月で6770万ドル(約74億4700万円)の純損失を出し、2005年からの累積赤字額が5億7780万ドル(約635億5800万円)に上っていることを報告した。MECはまた、1億5110万ドル(約166億2100万円)の資本の欠損があることも明らかにした。
By Frank Angst
(1ドル=約110円)
[Thoroughbred Times 2008年8月16日「Magna considers selling large Santa Anita interest」]