世界的な経済混乱からトート社の売却計画は凍結(イギリス)[開催・運営]
10月22日政府は、現下の経済混乱にかんがみ、トート社(Tote)を売却する計画は凍結すると発表した。
ゲリー・サトクリフ(Gerry Sutcliffe)スポーツ担当大臣は、次のように述べた。「私は7月21日付の声明書で、政府は競馬および賭事産業について運営の細部にまで関与すべきではないが、他方、市場実勢価格を考慮した上でトート社の売却手続きを進めるべきであるという政府見解には変わりがないと述べました」。
「しかし、夏の間にさらに検討した結果、現在の市場状態は売却手続きを続行するのは相応しくないとの結論に至りました」。
「したがって、トート社は中期的に国有のままとし、納税者と競馬界に利益をもたらす適当な時期に売却されるべきであると決定しました」。
「トート社のスタッフの将来については検討中です。政府が同社スタッフの忠誠心と献身を高く評価していることを改めて明確にお伝えします」。
サトクリフ大臣はその後、次のように付言した。「トート社には、将来できるだけ高価格で売却されるようその事業を成長させる時間的余裕が与えられました」。
「トート社と競馬界が、競馬自体と賭事客に利益となるよう密接に連携することを特に期待しています」。
声明を受けて、トート社の最高経営責任者トレヴァー・ボーモント(Trevor Beaumont)氏は次のように語った。
「トート社の売却に関する政府の方針が明確になったことを嬉しく思います」。
「売却計画の検討過程におけるスタッフの愛社心と熱意に感謝しています」。
このニュースについて、英国競馬統括機構(British Horseracing Authority)の最高経営責任者ニック・カワード(Nick Coward)氏は、「競馬界は、7月には“トート社を売却しない”と決定をするように、政府に求めました。その時点で、政府、トート社そして競馬界にとってそれが唯一の現実的選択であると思っていましたし、今ではなおさらそう感じます」。
「トート社と競馬界が密接に連携すべきであるという大臣声明を歓迎します。トート社と競馬界は元来パートナーです。実際に密接な連携のもとに、プール賭事を運営し、また国際共同プール賭事のような両者にとって極めて重要なビジネスチャンスを最大限活用してきました」。
[Racing Post 2008年10月22日「Tote privatisation put on hold」]