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2009年04月02日  - No.13 - 1

ケンタッキーダービーへの外国馬の 出走権付与に対する論争(イギリス)[開催・運営]


 3月18日にイギリスのケンプトンパーク競馬場の人工馬場で施行されるケンタッキーダービー・チャレンジS(1800m)(Kentucky Derby Challenge Stakes: KDCS)は、ケンタッキーダービー(G1)のトライアル競走であり、優勝馬は2000 mのケンタッキーダービーの出走資格を得る。このKDCSによってアメリカ馬の出走枠が減ると非難されないよう、関係者は気配りしている。

 初めて施行されるKDCSは、総賞金11万5200ドル(約1152万円)で、ケンタッキーダービーへの出走権を保証する。さらに、優勝馬がケンタッキーダービーへ出走すれば、当該馬関係者に10万ドル(約1000万円)のボーナスが支給される。

 2月17日のロンドンの記者会見において、チャーチルダウンズ社(Churchill Downs Inc.)のトム・アロンソン(Tom Aronson)副会長は、ダービーの出走枠を失う可能性に対する米国の主要な調教師の反応を徹底的に調査したと述べた。

 アロンソン氏は、「ニック・ジトー(Nick Zito)調教師は“それが競馬というものだ”と言いました」と述べた。

 アロンソン氏自身は、「ケンタッキーダービーに唯一欠けているのは、外国馬との競争という要素です。出走枠を1つを失ったとしても、外国馬の参戦によりダービーそのものが改善されるのであれば、米国の調教師は何とか我慢して頂きたいのです」と述べている。

 米英の合同賭金プールについての協議は続行中である。ロンドン郊外にあるケンプトンパーク競馬場は、KDCSでアメリカ式のゼッケンを採用し、レースは チャーチルダウンズ競馬場向けのアナウンサーに新たに指名されたマーク・ジョンソン(Mark Johnson)氏により実況中継される。

 ケンプトン競馬場の最高経営責任者エイミー・スターキー(Amy Starkey)氏は、「ケンプトン競馬場ではレース当日の催しや競馬場の装飾によってケンタッキーダービーとのつながりを強調しますが、ゼッケンとジョ ンソン氏の実況によりその印象がさらに強まるでしょう」と述べた。

 入場人員を増やすために、同競馬場への一般入場料は無料とする予定である。

 スターキー氏は、「この競走はケンプトン競馬場の全天候型馬場で開催する競走のなかで最も価値のあるものです」と述べた。ケンプトン競馬場の全天候型馬場は、数百万ドルの費用をかけて改修され2006年にリニューアル開場した。

 当初の企画では、このレースは11月に施行する予定であった。しかし、ケンプトン競馬場の競走担当理事であるブライアン・クリフォード(Brian Clifford)氏によれば、英国の調教師は、レースを文字通りケンタッキーダービーの足掛かりとするために3月の施行が好ましいと述べていた。

 初開催のこのレースに管理馬を出走させる予定の調教師には、ジョン・ゴスデン(John Gosden)調教師とエイダン・オブライエン(Aidan O’Brian)調教師がいる。

 ケンプトンパーク競馬場を所有するジョッキークラブ競馬場社(Jockey Club Racecourses)のジョン・スミー(John Smee)重賞競走担当理事は、「このレースは、米国外の馬主にとっては、ケンタッキーダービーの出走権を得る唯一のチャンスであり、ケンプトンパーク競 馬場の呼び物となるでしょう」と語った。

By Colin Cameron
(1ドル=約100円)

(関連記事)海外競馬ニュース2008年No.40
「ケンプトン競馬場でケンタッキーダービーのチャレンジレース計画」

[Thoroughbred Times 2009年2月28日「Officials look to avoid Derby Challenge Stakes controversy」]


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