2009年の売上げと賞金、減少の一途 (アメリカ)[開催・運営]
2008年に馬券の売上げが減少したが、2009年に入っても1月、2月と減少が続いている。スロットマシンの収益で競馬の賞金原資を補っても、賞金水準を安定的に維持するのは容易ではない。
競馬に加えてスロットマシンなどのゲーミングを運営している競馬場は、2008年にパリミューチュエル賭事による売上げが7.2%下落しても賞金額は 1.3%減少しただけで比較的安定していた。しかし、2009年2月に売上げは11.6%急落し、賞金額は6.8%減少した。
2008年3月〜2009年2月までの1年間に、ゲーミングの収益で賞金原資を補完しているガルフストリームパーク競馬場とペンナショナル競馬場では、1日平均の賞金額が13%増加した。他方、スロットマシンの収益で賞金額の減少を補完できなかった競馬場がある。
すなわち、サンタアニタパーク競馬場は20%、アケダクト競馬場は17%、ターフパラダイス競馬場は19%、それぞれ賞金額が減少した。テーブルゲームとスロットマシン賭事を提供するモンタニア競馬場でさえも賞金額は12%減少した。
またガルフストリーム競馬場は昨年週に6日競馬を開催していたが、今年は週5日しか開催していない。
全体として、2009年1〜2月に、売上げは前年同期比(2008年1〜2月対比)で6.8%減少し、20億4234万2114ドル(約2042億3421万円)となり、賞金額は同19.2%減少し、1億3644万9823ドル(約136億4498万円)となった。
売上げは景気悪化により大打撃を受け続けており、2月にはパリミューチュエル賭事の売上げは11.6%減少し、10億ドルの大台を割り込み9億9981 万5818ドル(約999億8158万円)となった。しかし全競馬開催日は1.1%減少しているものの、2008年は閏年であり、2月29日が金曜日(競 馬開催日)であったことに留意することも必要である。
経済指標 | |||||
開催日 | 賭事売上 | 1日平均賭事売上 | 賞金額 | 1日平均賞金額 | |
2009年2月 | 359日 |
$999,815,818 (999億8158万円) |
$2,785,002.28 (2億7850万円) |
$65,796,177 (65億7962万円) |
$183,276.26 (1833万円) |
2008年2月 | 383日 |
$1,131,333,323 (1131億3333万円) |
$3,116,620.72 (3億1166万円) |
$70,566,050 (70億5661万円) |
$194,396.83 (1944万円) |
前年比 | −1.10% | −11.63% | −10.64% | −6.76% | −5.72% |
2009年1月 | 376日 |
$1,042,526,296 (1042億5263万円) |
$2,772,676.32 (2億7727万円) |
$70,653,646 (70億6536万円) |
$187,908.63 (1879万円) |
2008年1月 | 348日 |
$1,059,007,418 (1059億74万円) |
$3,043,124.76 (3億431万円) |
$98,291,153 (98億2912万円) |
$282,445.84 (2824万円) |
前年比 | 8.05% | −1.56% | −8.89% | −28.12% | −33.47% |
By Frank Angst
(1ドル=約100円)
[Thoroughbred Times 2009年3月14日「Purses, handle continue declines」]