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海外競馬ニュース
2009年05月14日  - No.19 - 1

賭金プール監視システムの導入遅延 (アメリカ)[開催・運営]


 “賭事の公正性確保のための賭金プールの監視は単一の独立機関によって行う”、これが最近設定された目標であったが、挫折してしまい、いくつかの州では個別の進展が見られる。

 4月21日の北中米競馬委員会協会(Association of Racing Commissioners International: RCI)年次総会の賭事システムとトート基準に関する委員会において、カリフォルニア州、インディアナ州、ミネソタ州およびニューヨーク州の規制当局の担 当者から、その取り組みの進捗状況について説明があった。

 委員会の議長を務めたニュージャージー州競馬委員会(New Jersey Racing Commission)のフランク・ザンズッキ(Frank Zanzuccki)常務理事は、その進展が遅れていることを認め、「大きな進展は遂げていませんが、進展はある程度見られます」と述べた。

 インディアナ州は予定通り、パリミューチュエル方式の賭金プールを監視するための独立監視ソフトウェアを初めて導入する州となる見込みだ。同州にある フージアーパークとインディアナダウンズの2競馬場は、賭金プールを監視するソフトウェアをアドバンスト・モニタリング・システムズ社(Advanced Monitoring Systems Inc.)に納入させる予定である。

 ソフトウェアの費用を支払うのは両競馬場であるが、インディアナ州競馬委員会(Indiana Horse Racing Comission)の常務理事でRCIの議長も務めるジョー・ゴラジェック(Joe Gorajec)氏は、「競馬場がその情報を管理するわけではありません。異常が起こった場合には、競馬場だけでなく州競馬委員会にも警告が出されます」 と語った。

 ニューヨーク州競馬・賭事委員会(New York State Racing and Wagering Board)も2009年の1月1日までに同様のソフトウェアを導入することを目指していたが、このような監視ソフトウェアの導入についてはまだ不安が残 るということから計画が遅れている。それでも同州は今年中のソフトウェアの導入を望んでおり、同委員会の理事を務めるロン・オクリム(Ron Ochrym)氏は、ニューヨーク州が複数のソフトウェア会社から11の提案を受け取っていると述べた。

 ミネソタ州も同様に、パリミューチュエル方式の賭金プール監視ソフトウェアの導入を検討している。同州の競馬委員会は、賭事の公正性に関わる問題につい て競馬場とトート社に働きかける担当者として、ティム・ダン(Tim Dunn)氏を情報テクノロジー部門マネージャーに任命した。ミネソタ州競馬委員会(Minnesota Racing Commission)の理事を務めるディック・クルガー(Dick Kruger)氏は、「ダン氏はトート社関係者とコミュニケーションを取り合う重要な役割を果たします。率直に言って、ダン氏の存在によりサイエンティ フィック・ゲームズ社(Scientific Games)に緊張感が少し生まれるでしょう。専門家を置くことはとても重要なのです」と述べた。

 カリフォルニア州では、独立監視ソフトウェアに支払う資金を提供する法案が上院で審議されており、カリフォルニア州競馬委員会(California Horse Racing Board)はこれを支持している。

By Frank Angst

[thoroughbredtimes.com 2009年4月21日「States slowly adding oversight of wagering pools」]


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