ダービーの競走距離に関する議論 (フランス)[その他]
ジャン=クロード・ルジェ(Jean-Claude Rouget)調教師に僅差で迫っているライバルのエリー・ルルーシュ(Elie Lellouche)調教師は、クリストフ・スミヨン(Christophe Soumillon)騎手とアガ・カーン(Aga Khan)殿下がフランスダービー(The Prix du Jockey Club)を以前の距離である2400mに戻すことを要望していると改めて表明した。
フランスダービーは2005年から距離を短縮し、2100mで施行されている。6月7日に開催された2009年フランスダービーで自身の管理馬ヴェズー ヴ(Vesuve)が7着、ヴァジール(Wajir)が12着に終わったルルーシュ調教師は、距離を2400mに戻すべきだと主張し、「私は絶対的に以前 の競走距離に戻すほうが良いと思っています」と述べた。
カルロス・ラフォン=パリアス(Carlos Laffon-Parias)調教師が管理したレイヴロック(Laverock)は、その競走生涯においてG1競走を2度制したが、距離が短縮された 2005年フランスダービーではシャマルダル(Shamardal)の6着に終わった。同調教師は6月8日、「最良馬はもはやフランスダービーで勝てませ ん」と述べた。
2005年フランスダービー馬シャマルダルは調教中の故障により牧場入りとなる前にヨーク競馬場のセントジェームズパレスSでも勝ったが、一方2着馬の ハリケーンラン(Hurricane Run)はアイリッシュダービー、凱旋門賞を制し、4歳時にはキングジョージ6世&クイーン・エリザベスSとダイヤモンドSを制し、2400mの競走距離 で快挙を成し遂げた。
2008年のフランスダービーを制したヴィジオンデタ(Vision d’Etat)のレーシング・ポスト・レーティングス(Racing Post Ratings: RPR)は122であった。しかし、同馬の15着に泣いたモンマルトル(Montmartre)は6週間後のパリ大賞(G1 2005年に競走距離を 2000mから2400mに変更)で優勝し、RPR127という高いレーティングが付けられた。
ラフォン=パリアス調教師は、「ハリケーンランとモンマルトルに何が起きたか考えてみると良いでしょう。最良馬はもはやフランスダービーに勝つことはなく、同競走はクラシック競走とは思えません」と語った。
6月7日のフランスダービー(シャンティイ競馬場)において、アガ・カーン殿下の所有馬ベーシュタム(Beheshtam)はルアーヴル(Le Havre)の4着に終わった。ベーシュタムの関係者は、「もし競走距離が2400mのままであればベーシュタム[父:パントルセレーブル (Peintre Celebre)]が勝っただろう」とため息を漏らした。
ベーシュタムに騎乗したスミヨン騎手は、「以前の競走距離でなら勝つことが出来たでしょうし、フランスダービーは今やパリ大賞のトライアル競走にすぎません。フランスダービーが2400mに戻されることを切に望んでいます」と述べた。
By Desmond Stoneham
[Racing Post 2009年6月10日「Trainers call for 1m4f Prix du Jockey Club」]