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海外競馬ニュース
2009年01月22日  - No.3 - 3

リベートショップ破綻で顧客口座の 50万ドルは霧散か(アメリカ)[その他]


 ニューハンプシャー州のリベートショップが破綻したことにより、顧客の数百の賭事口座に預託している約50万ドル(約5000万円)が宙に浮いた状態になっている。

 ヒンズデール・グレイハウンド競走協会(Hinsdale Greyhound Racing Association:HGRA)は、サラブレッド競走の賭事を中心に、ドッグレースの賭事の受付けも行っていたリベートショップである。同社は12月15日に破産法第7章に基づき破産の申立てを行った。債権者一覧表には数百人の賭事客と思われる者が記載されており、13万8150ドル(約1381万5000円)の債権を有するハーシェル・バード(Herschel Bird)氏もその一人である。 賭事客と思われる債権者たちの債権総額は、45万ドル(約4500万円)を上回る。債権者一覧表には、競馬作家で競馬予想でも有名なアンディ・ベイヤー(Andy Beyer)氏も名を連ねている。同氏の債権額は2万440ドル(約204万4000円)である。

 ベイヤー氏は、「この債権はすでに貸倒れとして損金処理しました。二度とこのような痛い目には遭いたくないです」と述べた。

 ベイヤー氏は他の大勢の賭事客と同様に、HGRAのパリミューチュエル賭事プールに賭金を預託していた。同氏は、免許を取得した賭事運営業者であるHGRAならば海外ブックメーカーより安全だろうと考えていた。

 同氏は、「普段から海外ブックメーカーを警戒してきました。その日は良くても翌日に経営を続けられるかどうかも分らないような業者ですから、危険すぎると考えていたのです」と付言した。

 プレミアターフクラブ(Premier Turf Club)は、ノースダコタ州を本拠とし賭事免許を取得している電話投票(advance-deposit wagering: ADW)運営業者だが、その共同所有者のジョー・リッデル(Joe Riddell)氏は、米国内の賭事免許を取得したADW運営業者と海外ブックメーカーと比べた場合に大きなセールスポイントとなるのは、その安全性であると語った。しかしHGRAの破綻、特に賭事客の預託金が保護されないことを知って、多くの常連賭事客たちは動揺した。

 リッデル氏は、「多くの顧客から電話を受けました。彼らは大変心配していました。これは深刻な課題です」と述べた。

 リッデル氏は、プレミアターフクラブの賭事客は安心しているかもしれないが、開催競馬場はADW運営業者たちに的中馬券購入者の払戻金を支払うまでにしばしば数ヵ月を要しており、ADW運営業者は自己資金で払戻しを行う必要があると述べた。

 2006年11月のニューヨーク州競馬協会(New York Racing Association)の破綻の際にも同じような状況に陥った。この事件においては、いくつかのADW運営業者が自己資金で払戻金の支払いをすることを余儀なくされた。リッデル氏は当時、すべての的中馬券のADWの手数料と支払われるべき払戻金について競馬場とADW運営業者の間で毎週清算するシステムを提案していた。

 リッデル氏は、「結局何も変わっていないのです」と述べた。

 HGRAは連邦破産裁判所に対して、同社の口座に10ドル以下しか預託していない288人の賭事客への支払いは免除するよう申請した。

 大半の賭事客は多額の賭金を預託しており、HGRAの財産を処分して得た金銭が、これらの賭事客など破産債権者に対して配分されるまで長い時間を要するだろう。しかも預託金のうちどれだけ取り戻せるか分からない。ベイヤー氏は、「忍耐強く待つしかないでしょう」と述べた。

 2008年12月13日までのHGRAのサイマルキャストによるサラブレッド競馬賭事の売上高は2225万89ドル(約22億2589万円)であり、これは前年同期の3413万6602ドル(約34億1366万円)と比較して34.8%の減少である。

 バード氏などのHGRAの一部の常連客は、債権者一覧表では住所がネヴァダ州となっていた。ネヴァダ州民は州外のADW運営業者を通して賭事を行うことは禁じられている。

By Frank Angst
(1ドル=約100円)

[thoroughbredtimes.com 2008年12月17日「Bankruptcy could cost bettors nearly $500,000」]


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