デルマー競馬場の運営に関する決定、 2010年まで延期(アメリカ)[開催・運営]
カリフォルニア州はデルマーサラブレッドクラブ(Del Mar Thoroughbred Club: DMTC)に対して、サンディエゴ郡にある海岸に面したデルマー競馬場で競馬を運営するための20年間の賃貸期間を1年間延長することを許可した。
州競馬場賃貸委員会(State Race Track Leasing Commission: SRTLC)が決定した短期延長は1年であり、2010年以降に、他の団体がデルマーで競馬を運営する可能性はあり得る。しかし、デルマー競馬場を運営す る提案を他の団体に出させる要請をSRTLCが取り下げたことから、その可能性はありそうにないと職員たちは考えている。
DMTCの上席副会長であるクレイグ・フレイヴェル(Craig Fravel)氏は、「この決定は、州予算の現状を考えて1年間待ってみるということだと思います」と述べた。
アーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)州知事は2008年のはじめに、州の財政危機に対処するため、デルマー競馬場を含むデルマーフェアグラウンズと他の歴史的建造物を売却することを提案した。
フレイヴェル氏によれば、その可能性は少なくとも当面の間は州議会の議題から取り除かれている。
SRTLCとデルマーフェアグラウンズを運営している第22地区農業協会(The 22nd District Agricultural Association)には、長期の賃貸期間が切れた時のための新たな提案を模索することが要請されていた。
デルマーフェアグラウンズのCEOティム・フェネル(Tim Fennell)氏はノースカウンティ・タイムズ紙(North County Times)に対し、州職員たちは州議会の上院議員クリスティーン・キーホー(Christine Kehoe 民主党-サンディエゴ選出)氏がSRTLCに延期を要求する書簡を送った後、いかなる行動も控えることにしたと語った。フェネル氏によれば、その書簡は、 現在の経済状況において新たな競馬場運営者を探し出すということの見識を問うものであった。
フレイヴェル氏はとりわけ、DMTCが人気のあるデルマー夏開催の運営権を維持するために強硬な議論を展開することを確信している。
同氏は、「私たちのアプローチは、デルマー夏開催が米国内で最も成功している競馬運営の1つであるということです」と述べた。
デルマーの夏開催は通常1000万ドル(約10億円)から1200万ドル(約12億円)の利益を出しており、この収益は州が運営する競馬場の設備改良のために使われる。
NTRA(全米サラブレッド競馬協会)のメディア担当専務理事エリック・ウィング(Eric Wing)氏は、「デルマー競馬場は競馬場の中で見本となる資産であり、もっとも模範的な経営チームを有しています」と述べた。
ハリウッドパーク競馬場のジャック・リーボー(Jack Liebau)場長は、「デルマー競馬場は一流の経営チームの努力により非常に上手く運営されている競馬場です」と語った。
(関連記事)海外競馬ニュース2009年No.21「カリフォルニア州知事、デルマー競馬場の売却を提案(アメリカ)」
[Throughbred Times 2009年10月3日「State delays decision on Del Mar operator until 2010」]