献身的な馬輸送ドライバーに白馬賞 (アメリカ)[その他]
あなたがカリフォルニア州北部に住んでいて、馬を輸送する必要性に迫られたら、スティーヴ・ハイアット(Steve Hiatt)氏こそ頼りになる人である。
しかもそれが真夜中で、あなたの馬の命を救うために一刻も速く獣医科病院に連れて行くことが必要であれば、彼は間違いなく頼りになる人である。
ハイアット氏は、「私は依頼を断りません」と述べた。
同氏は11月5日、人々と馬を助けるための揺るぎない献身を評価され、サンタアニタパーク競馬場でのブリーダーズカップ午餐会において、レーストラッ ク・チャプレインシー・オブ・アメリカ社(Race Track Chaplaincy of America: RTCA)により白馬賞(White Horse Award)を授与された。同賞は年に1度、馬あるいは人を救うため英雄的に行動した個人やグループに贈られる。
ハイアット氏はフーフビーツ馬輸送社(Hoofbeats Horse Transportation)の4頭積みトレーラーのドライバーで、ゴールデンゲートフィールズ競馬場やカリフォルニア州北部の牧場から馬を運んでお り、その行き先はカリフォルニア大学デーヴィス校の獣医科病院が多い。
同氏は、「深夜2時に電話を受けても対応可能です。私はただちに出動します」と述べた。
ハイアット氏は、同賞を受賞して得た5000ドル(約50万円)をカリフォルニア州ウッドランズを拠点とする馬救済団体サラブレッド・フレンズ(Thoroughbred Friends)に寄付する意向であると述べた。
次点で同賞にノミネートされたのは、2008年12月17日にカリフォルニア州テイファナリバーヴァレーを襲った激しい洪水に対応した8人グループで あった。ジュディ・クーヴァー(Judy Coover)氏、ディック・タイナン(Dick Tynan)氏、キム・ウォリナー(Kim Warriner)氏およびカーク・コールズ(Kirk Coles)氏がグループを代表した。彼らは水位が上がっているときに約70頭の馬を高台に避難させた。彼らは多くの馬の命を救ったことで高く評価され た。
ドナ・ハンコック(Donna Hancock)氏とサラ&ベンジー・ラリュー(Sarah and Benjie La Rue)両氏も白馬賞にノミネートされた。彼らは2008年11月20日、ケンタッキー州ヘンダーソンのリバーサイド調教センター(Riverside Training Center)が火事に襲われた際に、同センターに一番に到着した。炎が厩舎の正面を燃やしているときに、彼らは裏口から厩舎に入り込み、恐れおののいた 馬たちを助け出そうとした。26頭の馬の命は火事により奪われたが、4頭は彼らの尽力により救助された。
ハイアット氏は、これらのノミネートされたホースマンたちを高く評価した。 同氏は、「彼らはこの賞を受ける資格があります。私の場合はただ自分の職務 を果たしているだけですから。燃え盛る厩舎に侵入すること、水の中の馬を助け出すことができる彼らはヒーローです。私は火事に遭っている厩舎に入り込む勇 気はありません」と述べた。
カリフォルニア州競馬委員会(California Horse Racing Board)の委員長であり、RTCAを含む12ほどの地域慈善団体の後援者であるジョン・ハリス(John Harris)氏もまた表彰された。同氏はチャプレンシー地域賞(Chaplaincy's Community Award)を受賞した。
By Steve Myrick
(1ドル=約100円)
[thoroughbredtimes.com 2009年11月5日「Hiatt honored with White Horse Award」]