2008年の馬券売上げ、 10億ドル以上減少(アメリカ)[開催・運営]
景気悪化と競馬産業内部の問題が原因となり、2008年の米国競馬のパリミューチュエル賭事の売上げは、1999年以来初めて140億ドル(約1兆4000億円)を割った。
1月6日にエクイベース社(Equibase Co.)から発表された経済指標によれば、2008年12月の馬券売上げは前年同月比20.3%減の8億2035万8357ドル(約820億3584万円)で、年間では前年比7.16%減の136億7019万6938ドル(1兆3670億1969万円)と厳しい結果になった。
2008年の馬券売上げは、賭事客が米国の競馬に131億ドル(約1兆3100億円)投じた1998年以降、最も少ない数字となった。2007年と比較すると、10億5000万ドル(約1050億円)減少している。
全米サラブレッド競馬協会(National Thoroughbred Racing Association: NTRA)の理事長兼最高経営責任者アレックス・ウォルドロップ(Alex Waldrop)氏は、次のように語った。「第4四半期は、世界的な景気の悪化と競馬産業内部の要素が重なり、困難な状況に陥りました。特に12月は週末開催日の著しい減少によって大きな打撃を受けました。2008年の総売上高は他のスポーツや産業と勝るとも劣りませんが、それにしても2008年は競馬産業のすべての分野において、明らかに大変厳しい年でした。それでも名勝負や、馬の安全・公正確保の発展などの輝かしい点がありましました。2009年は新たな希望がありますが、景気の回復にはかなり時間が掛かるという身の引き締まる現実もあります。競馬産業はファン層を拡大することに集中し続けなければなりません。すべてのスポーツの中でトップクラスの価値のある競馬を精力的に振興し続けなければなりません」。
2008年に米国の景気が急落したことに加えて、パリミューチュエル賭事プールは、ほぼ1年中続いた電話投票(advance deposit wagering)運営業者への映像配信をめぐる競馬場とホースマンたちの間の紛争により痛手を受けた。両者が合意に至らなかったので、チャーチルダウンズ競馬場とコールダー競馬場はほとんど1年中電話投票運営業者に映像を提供することができなかった。
12月は、競馬開催日が前年同月比9.59%減少し330日にまで落ち込み、1日の平均売上げは11.85%減少した。年間では、競馬開催日当たりの平均売上げは6.05%減の224万2854ドル(約2億2429万円)まで落ち込み、競馬開催日は1.18%減の6095日まで落ち込んだ。
2008年の賞金総額は前年比1.33%減の11億6031万3672ドル(約1160億3137万円)まで落ち込んだ。
By Frank Angst
(1ドル=約100円)
[thoroughbredtimes.com 2009年1月6日「Wagering down more than $1-billion in ‘08」]