香港国際競走における厳しい裁定措置 を見習うべき(イギリス)[開催・運営]
私は先週、国際競走のため香港に滞在するチャンスに恵まれた。香港の競馬はより厳格な方針で施行されている。2008年12月14日シャティン競馬場において、大レースを優勝したケヴィン・シェイ騎手[Kevin Shea 香港カップ(G1)をイーグルマウンテン(Eagle Mountain)で優勝]は後検量に向かう途中で口を湿らすために清涼飲料を一口飲んだことで、過怠金約420ポンド(約7万1400円)を科された。その日は暑く、シェイ騎手の体重は検量前後で同じであり、飲み物を渡したのは発馬係だった。しかし、この行為は“不適切”と見なされた。
もし英国のリングフィールド競馬場の裁決委員が香港の裁決委員ならばほぼ間違いなくサーベルライト(Sabre Light)の鞍上ジェリー・オドワイアー(Jerry O’Dwyer)騎手の騎乗に対して、大変異なった見解を持っただろう。
[訳注:2008年12月16日のリングフィールド競馬場でのクレーミングレースにおけるオドワイアー騎手の騎乗を指す。同レース前にサーベルライトのオッズが不自然に変動したことについて疑問を持ったBHAが同競馬場の裁決委員に対して注意喚起した経緯がある。]
リングフィールド競馬場の裁決委員は、オドワイアー騎手の騎乗ぶりをよく見ていなかったようだ。同騎手の“決して進路を変えていない”という説明は信用できるものではない。
同騎手は残り2ハロンとなる前にサーベルライトにゴーサインを出し勢いよく追った。同騎手は急に進路を変えたように見え、直進していたとは思えなかった。
なぜオドワイアー騎手は早めにラチから離れ、望ましい位置から不利な位置を取ることに甘んじたのだろうか?サーベルライトが残り4ハロンでハミをとった時に彼は何故もっと追わなかったのだろうか?
サーベルライトが坂路を下り始めた時にあまり抜け出すスペースを得られなかったのは確かであるが、4連勝を狙っていたのに、オドワイアー騎手は抜け出すために十分な努力をしたようには見えなった。
先行馬たちが追い込みを始める最終直線に入ると、同騎手はサーベルライトがどんどん動き始めていたのに、ほとんど対応していなかったように見えた。
ベッティング・エクスチェンジの傾向を読み取るのは深読みしすぎだし、ただ未熟な騎乗であったと見るべきかもしれない。しかし、このような未熟な騎乗は、賭事客たちを全天候型馬場の同競馬場から遠のかせる類のものであり、好ましくない。
香港ではこのような事態に耐えられないし、私たちも同様である。
By Graham Dench
[Racing Post 2008年12月18日「It’s time to adopt Hong Kong’s zero tolerance lead」]