2009年の競馬の話題を独占した 女王たち(アメリカ)[その他]
2009年の米国競馬のスポットライトを独占したレイチェルアレクサンドラ(Rachel Alexandra)とゼニヤッタ(Zenyatta)の2頭の牝馬は、5月1日にチャーチルダウンズ競馬場で施行されたケンタッキーオークス(G1)ま で大見出しを分かち合った。ウェブ版サラブレッドタイムズ紙の記事の冒頭は、“レイチェルアレクサンドラとゼニヤッタ、5月1日、それぞれの檜舞台でス ターの力を発揮する”であった。
結局ゼニヤッタは、不良馬場への懸念のために5月1日のレース当日の朝にルイビルディスタフS(G2)への出走を取消し、脚光をオークスに出走するレイ チェルアレクサンドラに譲ることになった。レイチェルアレクサンドラはケンタッキーオークスの135年の歴史において最大の20馬身1/4差で楽勝すると いう素晴らしい走りを見せた。
レイチェルアレクサンドラはオークスの2週間後のプリークネスS(G1)においても牡馬を相手に優勝した。そして、競馬のPR活動において素晴らしい役 割を演じた。前年牝馬エイトベルズ(Eight Belles)がケンタッキーダービー(G1)に挑戦し、悲劇的な死を遂げたことが報じられたことと対照的である。
レイチェルアレクサンドラはその後も、G1路線で驚くべき戦績を伸ばし続けた。一方、ゼニヤッタはシーズンを無敗で終えたことと、ハリウッド映画のクライマックスのような、牡馬を相手に回したBCクラシック(G1)優勝で人々に強烈な印象を刻みつけた。
逃してしまった絶好の機会は、この2頭の直接対決であった。しかし、今や両馬は1月18日の2009年エクリプス賞年度代表馬の発表を前に、競馬産業内ばかりでなく世界の巷に、どちらが北米の年度代表馬に選ばれるかに関する熱い議論のテーマを提供している。
2008年のPR活動の危機にNTRA(全米サラブレッド競馬協会)のCEOとして取り組んだアレックス・ウォルドロップ(Alex Waldrop)氏は、次のように語った。「2009年には多くの経済的な困難があったのは確かですが、レイチェルアレクサンドラとゼニヤッタによる忘れ がたい偉業のおかげで、競馬の歴史において最も記憶に残る年の1つになりました。彼女たちは競馬産業にとって素晴らしい意味を持っていました。世論調査で も、今年の競馬シーズンを通してこの2頭をめぐる物語が国内の競馬への印象を向上させたのは明らかです。このことは経済的に悪戦苦闘した年にもかかわら ず、競馬に対する前向きな状況を作り出したと言えます」。
By Jeff Lowe
[thoroughbredtimes.com 2009年12月15日「Newsmakers of the Year No. 1: The queens」]