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海外競馬ニュース
2009年02月19日  - No.7 - 3

ベットフェア社、不況下でも成長 (イギリス)[開催・運営]


 世界経済は深刻な景気後退に見舞われているが、ベットフェア社(Betfair)のエドワード・レイ(Edward Wray)会長は1月12日に発表した年次業績報告で、同社がその影響を巧みにしのいでいると述べた。

 貿易産業省の企業登録局(Companies House)に提出された業績データによれば、ベットフェア社の2008年4月30日までの1年間の収入は前年比29%増の2億4000万ポンド(約408億円)で、既存店ベースでの支払利息・税金・減価償却控除前利益は前年比32%増の4230万ポンド(約71億9100万円)であった。

 現在ベットフェアグループ(Betfair Group Ltd.)に投資している株主には2008年、1億ポンド(約170億円)以上の配当があった。レイ会長は、「当社は、無借金で、多額の手元資金をもち、とても堅実な経営を続けています。経済環境は明らかにより広範に悪化していますが、当社は2009年も野心的な成長目標を達成するつもりです。財政的基盤が強固なので、ビジネスチャンスを確実に捉えることができます」と述べた。

 最高財務責任者スティーブン・モラナ(Stephen Morana)氏は、2008年4月から市況は厳しくなったことは認めたが、「このような時期においても、当社は信用、公正、そして最も重要な商品価値に重点を置いた強固な経営計画をもっています」と述べた。

 ベットフェア社は2008年、英国女王賞(Queen's Award)の国際貿易部門賞を受賞した。なお、同社は2003年にも英国女王賞の起業賞を受賞している。レイ会長は、海外における収入が総収入の44%を占めていると強調した。

 同会長はまた、“多くの重要な規制打破”について指摘した。それはとりわけ、オーストラリア最高裁判所でベットフェア社に反対する立法行為を覆す判決を得た件と、オランダを相手どった類似の訴訟が欧州裁判所に付託された件である。レイ会長は、オランダの件への関与を拒否したイギリス政府の姿勢に「がっかりし、驚いている」と述べた。

 しかしモラナ氏は、英国競馬は引続き“非常に重要”であることを強調し、「当社は英国競馬の成長の手助けをしたいと思っています。当社の新しい顧客の半分が海外の人々です。また、半分以上がサッカー賭事から入ってきますので、これは競馬産業にとって難題です。競馬はサッカーと張り合っており、当社は競馬の賭事収入拡大のために出来るだけのことをしています」と語った。

 ベットフェア社は、競馬は依然主力商品であると見なしており、英国競馬を後援するために年に100万ポンド(約1億7000万円)以上のスポンサー料を拠出している。このことは、アスコット競馬場のキングジョージVI&クイーンエリザベスSを支援する5年契約を新たに結んだことで強調された。

 2008年にその顧客が200万人に達したベットフェア社だが、その新機軸のひとつが、独自のスターティング・プライス(SP:発走直前の平均的賭率で受付ける賭け)を立ち上げ、発表していることである。それには年間30人のマンパワーを要し、他社のSPよりも平均で30%有利と見込まれている。そのほか、金融市場に焦点を当てた“トレードフェア(Tradefair)”を立ち上げた。

 モラナ氏は、「当社の1日あたりの取引件数は1500万件で、これはおそらく欧州の全ての株式市場の取引件数に匹敵するでしょう。また取引はすべて即時に精算されます」と述べた。

By David Carr
(1ポンド=約170円)

[Racing Post 2009年1月13日「Betfair chief bullish about economic position」]


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