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海外競馬ニュース
2010年01月07日  - No.1 - 3

ケンタッキー州、一部の検体は無作為抽出による薬物検査へ(アメリカ)[獣医・診療]


 ケンタッキー州の裁決委員は、薬物検査による取締りの強化を目指す一方で、コスト節減のため、一部の検体(Sample)については無作為抽出によって薬物検査を行う。

 ケンタッキー州競馬委員会(Kentucky Horse Racing Commission: KHRC)により収集された検体はもはや、すべてが検査されることはない。しかし、疑惑を起こさせる競走があった場合、裁決委員は疑わしい馬の検体を採取 することを命じ、これらの検体は必ず薬物検査にまわされる。

 12月1日に可決されたルールの下で、裁決委員たちは、州内の全競走に出走した競走馬のなかから毎レース、少なくとも2頭(1頭は勝馬)から尿検体を採 取する。2つの検体が採取されるレースにおいて、裁決委員たちはそのうちの1つの検体に金ラベル、他の検体に赤ラベルを貼り、それを調教師に通知する。金 ラベルが貼られた検体は常に検査にまわされ、赤ラベルが貼られた検体は50%の割合で薬物検査にまわされる。ケンタッキー州はその検査を実施するためにフ ロリダ大学研究所と契約を結んだ。

 KHRCの馬医療担当部長メアリー・スカレー(Mary Scollay, D.V.M.)博士は、検体採取数は同じか増加する可能性があるが、実際に検査にまわされる検体数は減少するだろうと述べた。今回の方針転換はおよそ25%〜30%の費用節減をもたらす。

 以下の様な馬は、疑惑ありとして裁決委員が検査の対象とする。(2) 完敗した本命馬、(2) 穴馬あるいは通常と較べて驚くべき好成績を収めた馬、(3) 異常な賭事パターンがあった馬、(4) 普段と違い連勝している調教師の管理馬、(5) 疑惑情報のある馬。

 赤ラベルの馬には、一番人気で優勝した馬や以前に薬物検査で管理馬に陽性反応の出なかった調教師の馬が含まれる。

 この薬物検査方針は、1991年にマッキンゼー社(McKinsey and Co.)が著した“競馬産業における国際レベルの薬物探知システム確立”の勧告を基にしている。この報告によれば、無作為に馬を選ぶ方法と比較して不正者 発見の可能性を高める一方、競馬統括機関に費用節減をもたらすという。

 スカレー博士は、サラブレッド馬主と調教師は検体が実際に検査にまわされるかどうかわからないが、検体が検査される可能性があると彼らに思わせるだろう と説明した。検査にまわされない検体は保管され、もし将来同じ馬主や調教師の馬から陽性反応が出た場合に薬物検査の対象になる。

 賞金額が10万ドル(約1000万円)以上の準重賞あるいは重賞競走においては、少なくとも上位3頭の検体が採取され、薬物検査にまわされる。

 KHRCは、ケンタッキー州馬薬物調査委員会(Kentucky Equine Drug Research Council)の勧告に従ったこの変更を満場一致で承認した。

[thoroughbredtimes.com 2009年12月1日「Kentucky stewards to prioritize drug tests」]


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