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海外競馬ニュース
2010年04月01日  - No.13 - 2

国際護蹄サミットで装蹄師と獣医師の 協力体制が提言される(アメリカ)[獣医・診療]


 熟練した装蹄師であるリック・リデン(Ric Redden)氏は、装蹄師がデッサン力を向上させることを望んでいる。

 リデン氏は、「その職業柄逞しく傷跡のある手をしている装蹄師からピカソを探し出すつもりはないが、装蹄師にとって基本的な芸術性のある技術を持つことは、馬主、調教師、獣医師とより良く意思疎通を図るために役立つだろう」と考えている。

 同氏は、初めはただの2〜3本の対角線に見えるものを繋げることで形成される馬の蹄の略図を描きながら、「馬の蹄を描く熟練者となるまで、何度も繰り返して描くことを奨励します。毎回同じ方法で描き始めてください。そうすれば、蹄の構造のさまざまな角度に気が付くので、どこを見るべきか独学で覚えるでしょう」と語った。

 リデン氏はシンシナティで開催された国際護蹄サミット(International Hoof-Care Summit)において、自身の考えを100人もの装蹄師の前で披露した。同サミットは2月2日〜5日に開催されて数百人の装蹄師を集めた。

 リデン氏は数少ない獣医師兼装蹄師の1人である。各馬はそれぞれの特徴を持っているので、すべての装蹄師は獣医師とより親密な関係を築くことで恩恵を受けるだろうと同氏は述べた。

 同氏は、「私たち装蹄師の目標は、蹄を見て何が必要か決定することです。多くの人々はたいてい理想的な蹄はどのようなものかについて自分の考えを持っています。私たちは心の中にあるそれらの固定概念を避けて、各馬にとって最善であることをしなければなりません」と語った。

 リデン氏は装蹄師たちに、馬の蹄部のレントゲン写真を見せてもらうために獣医師と会うことを奨励した。そして同氏は、蹄の構造に関する情報に基づいた装蹄法と蹄の保護法を披露した。

 同氏は、「競馬場で働く装蹄師のうち獣医師と一緒に働いているのはわずか約5%です」と述べた。

 獣医師、馬主および調教師と会うことにより、装蹄師は馬の年齢、調教スケジュールおよび病歴を知ることができる。そして装蹄師は最善の装蹄方法を決定するためにその情報を使う。

 同氏は、「私たちには決まりきったやり方が存在するわけではありません。目的を達成することが私たちのゴールです。仮に醜い蹄だと言う人がいたとしても、その蹄がその馬にとっては具合が良いのであれば、それでいいのです」と語った。

 ケンタッキー州ヴァーサイルスを拠点とするリデン氏は、世界中のサラブレッドおよびスタンダードブレッドの装蹄をしている。カーブした蹄先部を特徴としている上弯付き蹄鉄(rocker shoes)の効果を活用した跛行治療の第一人者である。

 同氏は、「跛行は1日の中で馬がコースに出ている1〜2時間よりも、馬房で立っている22〜23時間の間に進行します。発達が不十分な蹄は常に、血液循環の悪さが原因となっており、装蹄師はその改善に存分に影響を与えることができます」と述べた。

 リデン氏に言わせれば、装蹄師はより多くの情報を集めることが望ましい。

 同氏は、「ロシアンルーレットのような危険な賭けを行うべきではありません。蹄の内部がどのようになっているかを把握すべきです。蹄に取り組むことに意欲的で同じ目標に向かう獣医師を見つけるべきです」と付言した。

By Frank Angst

[Thoroughbred Times 2010年2月13日「Redden encourages farriers to work with veterinarians」]


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