馬主のレイノルズ氏、ファロン騎手に暴行したかどで資格停止処分(イギリス)[その他]
デヴィッド・レイノルズ(David Reynolds)氏は、3月20日のリングフィールド競馬場での第2競走の後にキーレン・ファロン(Kieren Fallon)騎手に暴力を振るったために、BHA(英国競馬統轄機構)から3ヵ月の資格停止処分と1000ポンド(約170万円)の過怠金を課された。
レイノルズ氏の資格停止処分は4月6日から7月5日までである。
当該競走での一番人気馬ザスコーチングウィンド(The Scorching Wind)の馬主であるレイノルズ氏は、競走後にエルナブライト(Elna Bright)を脱鞍しているファロン騎手を殴った。その後同氏は、ファロン騎手の騎乗するエルナブライトがザスコーチングウィンドの進路を妨害したため10頭中9着になったと述べた。
BHAの広報担当ポール・ストラザーズ(Paul Struthers)氏は英国通信協会に、「競馬関係者へ暴力をはたらいた場合の罰則は、一番軽くて5,000ポンド(約85万円)の過怠金または3ヵ月間の資格停止処分です。懲罰委員会はレイノルズ氏にそれと同期間の資格停止処分に加えて1,000ポンド(約170万円)の過怠金を課しましたので、最低ライン以上の罰則を課したことになります」と語った。
レイノルズ氏はエルナブライトの調教師であるブレット・ジョンソン(Brett Johnson)氏と馬主であるピーター・クレイト(Peter Crate)氏には謝罪したが、ファロン騎手に謝罪することは拒んだ。
騎手協会(Professional Jockeys Association: PJA)はBHAの決定を支持した。
PJAの会長であるケヴィン・ダーレー(Kevin Darley)騎手は英国通信協会に、「私たちはBHAがこの案件に迅速に対処したこと、そして騎手に対するこのような行為には情状酌量の余地がないことをはっきりさせたことに大変満足しています。私たちはこの事件はほかに類のないものであると思いますが、このようなことは繰り返されてはならないと願っています」と述べた。
同騎手は次のように付言した。「競馬の最も魅力的な側面の1つは、競馬ファンが競馬関係者に近づくことができることです。騎手たちは、このことおよび競馬関係者が競馬ファンとの間で構築している良好な関係を歓迎しています。私たちはこの関係が脅かされることを望んでいません」。
懲罰委員会は、罰則を決定する際に多くの要素が検討されたと語った。それには、レイノルズ氏にこれまで暴力を振るった記録がないことや、同氏がザスコーチングウィンドの単勝に1,000ポンド(約17万円)以下しか賭けていなかったことが含まれている。
(1ポンド=約170円)
[thoroughbredtimes.com 2010年3月29日「Reynolds fined, suspended three months for punching Fallon」]