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海外競馬ニュース
2010年05月06日  - No.18 - 3

パンチェスタウン競馬場、ベットフェア社からの資金提供を辞退(アイルランド)[開催・運営]


 パンチェスタウン競馬場は、スポンサーリストからベッティング・エクスチェンジ提供会社を除外するようホースレーシングアイルランド(Horse Racing Ireland: HRI)に助言されたことを受けて、来るフェスティバル開催に向けてのベットフェア社(Betfair)からの10万ユーロ(約1,300万円)の後援を辞退した。

 HRIのCEOであるブライアン・カヴァナー(Brian Kavanagh)氏は3月25日夜にパンチェスタウン競馬場の役員たちと会合を持ち、その後、同競馬場は“緊迫した役員会議”と表現された会議においてベットフェア社から後援を受付けないことを決定した。

 パンチェスタウン競馬場は、ベッティング・エクスチェンジの競馬への負担金に関する議論においてHRIとベットフェア社の板ばさみとなっているが、カヴァナー氏は3月26日夜に、自分が同競馬場の決定権を無力にしたということはないと語った。

 同氏は次のように付言した。「私たちはパンチェスタウン競馬場に無理強いしたわけではなく、ただ彼らにベットフェア社との立場を考慮するように要請しただけです。これは最終的に個々の競馬場が決定する事柄です。私たちは2008年末からベットフェア社からの負担金支払いを受けておらず、2009年初めに交渉が頓挫してから進展はありません」。

 ベットフェア社はこの展開に驚きを表明し、10万ユーロ(約1,300万円)を他のスポーツに提供すると脅しをかけた。

 ベットフェア社の広報担当であるグレーム・ロス(Graeme Ross)氏は次のように語った。「HRIは事実上、パンチェスタウン競馬場がベットフェア社の後援金10万ユーロ(約1,300万円)を受け取ることを妨害しました。私たちは過去6年間このフェスティバル開催を後援してきました。この展開においてとばっちりを受けるのはアイルランド競馬です」。

 「HRIは一貫してインターネット賭事業者に負担金を納付するよう要求してきましたが、そのHRIが2009年初めにベットフェア社による任意の資金拠出の申出を拒否しています。この資金拠出により、2009年〜2011年に毎年100万ユーロ(約1億3,000万円)以上がもたらされていたことでしょう」。

 「ベットフェア社は、アイルランド国内に社屋を構えずにHRIに資金拠出している唯一のインターネット賭事業者であり続けています。HRIは2006年から2008年までの間にベットフェア社から450万ユーロ(約5億8,500万円)を受け取っています」。

 パンチェスタウン競馬場はHRIに所有されていないが、HRIは2000年代初めに同競馬場に何百万ユーロを融資した。それ以来、同競馬場は常に返済金を支払っているが、残高はなお330万ユーロ(約4億2,900万円)あり、HRIは依然として同競馬場の役員会のうち4名の指名権を行使している。残り4名のメンバーは、キルデア・ハント・クラブ(Kildare Hunt)が指名している。

 HRIが指名している4名のうちの1名は、ベットフェア社のグレーム・ロス氏の父親であるジョン・ロス(John Ross)氏であり、同氏は3月25日の会合を欠席した。

 同競馬場の販売担当理事であるリアム・ホルトン(Liam Holton)氏は、「パンチェスタウン競馬場の役員会は、ベットフェア社との商業協定を2010年は締結しないことを決定しました」と語った。

 同氏は次のように付言した。「パンチェスタウン競馬場の利害関係者およびアイルランド競馬の利益という観点から、私たちはアイルランドの障害競走の最重要イベントが資金調達の問題で暗い影を投げかけられたくはありません。そのため、私たちはベットフェア社の後援を受け入れることは出来ないと思いました。このことは私たちにとって犠牲を伴う難しい決断でしたが、私たちはこれがアイルランド競馬における資金調達の問題を解決する一助となることを望んでいます」。

By Jonathan Mullin
(1ユーロ=約130円)

[Racing Post 2010年3月27日「Punchestown turns down 100,000 euros Betfair deal」]


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