トニー・マッコイ騎手、大英帝国勲章4等を受勲(イギリス)[その他]
今まで15回チャンピオン障害騎手となったトニー・マッコイ(Tony McCoy)騎手は、女王誕生日叙勲者リストにおいて、大英帝国勲章4等(Officer of the Order of the British Empire: OBE)を受勲した。
この勲章は、マッコイ騎手がジョンジョ・オニール(Jonjo O’Neill)調教師の管理馬でJP・マクマナス(JP McManus)氏所有のドントプッシュイット(Don’t Push It)への騎乗依頼を受け、15回目の挑戦で長年の野望であったグランドナショナル(G1)優勝を果たしたちょうど2ヵ月後にもたらされた。
同騎手は、「受勲について知らされたのは数週間前ですが、2010年は考えていたよりもずっと良い年になりました。このように思えるのは大きな名誉です。本当に素晴らしい年です」と語った。
マッコイ騎手は2002年4月に、ゴードン・リチャーズ(Sir Gordon Richard)氏の年間勝利記録269勝を破り、その年の8月にリチャード・ダンウッディ(Richard Dunwoody)氏の記録1,699勝を抜き、最多勝利障害騎手となった。
同騎手はその後も勝利を積み重ね、2009年はじめに、プランプトン競馬場でニッキー・ヘンダーソン(Nick Henderson)調教師が管理するレストレスダルテックス(Restless D’Artaix)に騎乗した際に3,000勝をあげた。
2003年に大英帝国勲章5等(MBE)を受けていたマッコイ騎手は、今回の4等受勲で、騎手のパット・エデリー(Pat Eddery)氏、ジョン・フランコム(John Francome)氏およびレスター・ピゴット(Lester Piggot)氏の仲間入りをした。
同騎手は、「栄誉を受けることはいつも思いがけないことです。このような栄誉を受ける幸運に恵まれる人はわずかですので、私は本当に光栄に感じています」と付け足した。
競馬界での偉業をすべて成し遂げたにも拘わらず、マッコイ騎手は、競馬界の外部から認められることは素晴らしいことだと語り、さらに将来に狙いを定めている。
マッコイ騎手は次のように語った。「私は毎シーズン、チャンピオン騎手となることを目指して臨んでいますし、結果はすべて私の腕にかかっています。もしそれを成し遂げられないとすれば、私に落ち度があるのです」。
「私は自分の成し遂げたことが女王陛下のような方に認められて非常に幸運だと感じています。これは素晴らしい栄誉です」。
「今シーズンは素晴らしいシーズンでした。再びチャンピオン騎手になることができ、そして幸運にもグランドナショナルを優勝することができたというのは、いかなる騎手にとっても名誉なことです」。
マーティン・パイプ(Martin Pipe)調教師は、1997年のメークアスタンド(Make A Stand)のチャンピオンハードルの優勝を含め、マッコイ騎手に対し多くの大レースで勝利する機会を与えた。同騎手は、ニコラスハインにあるパイプ調教師の厩舎でステーブルジョッキーを務めていた1996年〜2004年までの間に、8回チャンピオン騎手のタイトルを獲得することができた。
15回チャンピオントレーナーに輝いたパイプ調教師は、マッコイ騎手の受勲の知らせを聞いて喜んだ。
同調教師は、「マッコイ騎手は受勲にふさわしい騎手です。このニュースは競馬界にとって素晴らしいことです。マッコイ騎手は素晴らしい大使であり、彼は十分に受勲に値する騎手です。彼は傑出したジョッキーで、グランドナショナルを優勝した年にOBEを得たことは本当に素晴らしいことです」と語った。
By Paul Eacott
[Racing Post 2010年6月12日「Tony McCoy OBE」]