トート社の7重勝馬券を的中しやすいように改良(イギリス)[開催・運営]
賭事客からの圧力により、トート社(Tote)の経営陣は同社の評判の悪いトートスーパー7馬券(Totesuper7)のリニューアルを強いられた。
2008年9月に発売が開始された7レースすべての勝馬を選ぶこの馬券は、的中させるのが難しすぎると感じた賭事客たちにほとんど無視され、賭事プールにほとんど賭金が入らない結果となっていた。的中者が出たのはたった5回で、一番最近の的中は2010年3月28日である。
そこでトート社は、顧客、常連賭事客およびブックメーカーとの包括的な協議を行い、この馬券を改善する方法を尋ねた。その結果7月19日から、これまで実施されてきた7レース全部ではなく6レースまたは5レースの勝馬を的中させた場合の残念賞“エニー6(Any 6)”と“エニー5(Any 5)”の払戻しを廃止し、7レースの複勝を的中させた場合に払戻しを行うことにする。このことはつまり、賭事客は今や全7レースにおいて1着馬を当てなくても払戻金を獲得するチャンスがあるということである。
また、トートスーパー7は2つの競馬開催だけを対象とし、ある開催の最後の4レースと別開催の最後の3レースを対象とするので、的中させるのは易しくなるだろう。この仕組みによってバンパーレース(訳注:障害競走馬になる予定の未出走馬による平地競走で、通常は各開催日の最終レースとして実施され、勝馬の予想が難しいとされている)がいくつか対象レースに含まれることになるが、トート社は競馬番組の研究を実施した上で問題ないと考えている。
トートスーパー7馬券の最低発売金額は2ポンドに維持され、賭金は単勝と複勝の間で平等に分けられ、それは複合馬券(応援馬券)の1ポンドの繰越馬券投票(訳注:複数のレースの勝馬を的中させる投票法で、的中させて得た払戻金をそのまま次の対象レースに賭けるもの)に相当する。繰越金は翌日のそれぞれのプールへ入れられる。トートスーパー7は今後日曜日から金曜日に発売される。
トートプール社のデヴィッド・クレイヴン(David Craven)社長は、「私たちはこの見直された形式を発展させるため、消費者、ブックメーカーの顧客および常連賭事客からの多岐にわたる多くの意見を検討しました」と述べた。
「賭事客はトートスクープ6馬券(Totescoop6)の形式に似た毎日楽しめる馬券を欲していました。スクープ6は、小額の元手で大金を得るチャンスを提供すると同時に、残念賞である複勝への払戻しはいつも数千ポンドにもなります」。
「私たちは顧客から念入りに意見を聞き、これらの変更がトートスーパー7の既存および新しい賭事客の間で人気を博すことになるのを確信しています」。
現在10万4,849ポンド(約1,468万円)であるトートスーパー7の賭事プールは、現在のまま運営された上で7月16日に現在の形式を終了する。そして7レースすべての単勝を当てる賭事客が現れなければ、この賭事プールは7月19日から新形式で発売が開始されるトートスーパー7に繰り越されることになる。
By Paul Eacott
(1ポンド=約140円)
[Racing Post 2010年7月13日「Totesuper7 in revamp to make it easier and create place fund」]