アムラック社、間違ったオッズの配信で職員を停職処分(イギリス)[その他]
ターフTV社(Turf TV)が8月23日にケンプトンパーク競馬場からブックメーカーに間違ったオッズを配信した件で、親会社のアムラック社(Amrac)は賭事客たちに損害を与えたこの過失に関する調査を実施し、関与者を8月24日付で停職処分とした。
ターフTV社は、午後4時20分発走のレースで優勝したヘンリー・セシル(Henry Cecil)厩舎のワフェイラ(Wafeira)の複勝の初回オッズを12倍(11-1)としていた。このオッズはその後、9倍(8-1)、8倍(7-1)、7倍(6-1)、5.5倍(9-2)、そして最終オッズが5倍(4-1)と推移した。
しかし、複勝の初回オッズは12倍(11-1)ではなく、6.5倍(11-2)であることが判明した。通常このような間違ったオッズは直ちに修正されるが、今回の場合は、この表示の後の5分間において9倍(8-1)、8倍(7-1)とさらに2回の間違ったオッズが配信し続けられた。
ターフTV社を代表して8月24日夜に発表された声明には次のように記されていた。「ケンプトンパーク競馬場で8月23日午後4時20分に行われたレースにおいて起きた過失についてのアムラック社の調査によって、標準的な業務プロセスは健全であったがアムラック社のチームがそれをきちんと実行しなかったと判断されました」。
「この件に関与した職員は停職処分となり、この問題は内部懲戒手続きに基づき処理されます。現段階ではこれ以上のコメントは控えさせていただきます」。
関与した人物の名前は記されておらず、何人が停職処分となったかは定かではない。
8月24日の早い段階で出されたターフTV社の声明は、「この件に関与した職員は全員取調べをうけました。私たちはこの件の真相を掴むよう取り組んでいます」と述べていた。
ターフTV社は8月27日、ワフェイラの複勝の正確な初回オッズは6.5倍(11-2)、その後7倍(6-1)、5.5倍(9-2)および5倍(4-1)であったことを認め、ブックメーカーたちは落胆した反応を示した。
ブックメーカーたちは“高くつく”、“あり得ない”過失であると表現したが、とりわけ大手ブックメーカー3社は、間違ったオッズの馬券を目掛けて押し寄せた賭事客に対して真摯に対応したあとで動揺していた。
賭事客たちにギャンブルの絶好の機会が進行中であると感じさせ、その払戻金を追い求めさせながら、それほど長くもない時間のうちにオッズを5ポイントも急落させたということに、ブックメーカーは特に激怒した。
間違ったオッズ表示の記録 | ||
時 間 | オッズ | |
午後4時13分30秒 | 12倍(11-1) | ターフTVが複勝の初回オッズを6.5倍(11-2)ではなく12倍(11-1)と間違って表示する |
午後4時17分25秒 | 9倍(8-1) | 間違ったオッズを表示した約4分後に、ターフTV社はその後2つもたらされる間違ったオッズの1つ目を提供する |
午後4時17分45秒 | 8倍(7-1) | 20秒後にもう1つの間違ったオッズを表示し、ギャンブルが展開され始める |
午後4時17分57秒 | 7倍(6-1) | 数秒後、正確なオッズに戻るが、ギャンブルがさらに進行する |
午後4時18分51秒 | 5.5倍(9-2) | 正確なオッズ |
午後4時18分56秒 | 5倍(4-1) | 正確なオッズ |
By Paul Eacott
[Racing Post 2010年8月25日「Amrac employees suspended after incorrect betting show」]