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海外競馬ニュース
2010年11月04日  - No.44 - 3

競馬場にドレスコード緩和の予定なし(イギリス)[その他]


 競馬場経営者たちが9月29日、競馬場の特別席におけるドレスコードを緩和するつもりはないと主張したことで、ジャケット、襟付きのシャツ、ネクタイは、英国の選り抜きの平地競走開催において男性のドレスコードの基本であり続けることとなった。

 レーシングポスト紙のコラムニストであるロビン・ギブソン(Robin Gibson)氏は9月中旬に、ドレスコードは“時代遅れ”であり、それは競馬場来場者の見識を侮辱していると主張し、最も厳格にドレスコードを適用している競馬場に対するキャンペーンを呼びかけた。

 しかし問題になっている競馬場は、競馬場来場者たちは規制に憤慨するどころか着飾る機会を楽しんでいると主張する自らの経営方針を和らげるつもりはないようで、ドレスコードは“向上心の現われ”であり、より良い行動基準を促していると述べた。

 ギブソン氏は、グッドウッド、ヨーク、チェスターの各競馬場を含む競馬場が“儀礼と服従に凝り固まった時代遅れのドレスコードを維持している”とコメントし、このコメントが、ドレスコードに賛成する者と反対する者の両方からの強い反響を呼んだ。

 今年グッドウッド競馬場の場長を引き継いだアダム・ウォーターワース(Adam Waterworth)氏は、「私はギブソン氏の意見の大半を理解しましたが、一方で競馬場や競馬開催には、何らかのドレスコードはつきものです。そして一定の開催日には人々は着飾ることを楽しんでいます」と語った。

 同氏は次のように続けた。「ドンカスター競馬場にいるときに、私はドレスコードを緩和しました。そして、それは逆行する措置であると考えたあらゆる客層の多くの人々が、実際に不満を口にしたことに驚きました」。

 「これらの事柄を引き続き検討の対象としていく必要はありますが、私が得た印象は、反対している人々と同じくらいの人々が賛成しているだろうというものです。反対する人々が大多数を占めているのが顕著であれば検討しますが、そうなるまでは、私たちは今のままで上手く行っていると思います」。

 ヨーク競馬場のCEOであるウィリアム・ダービー(William Derby)氏は、「私たちの競馬場のカウンティースタンドのドレスコードは、ファミリーデーは別としてジャケット、シャツおよびネクタイです。必要であれば、ジャケット、ネクタイを無料で借りることができます。競馬場来場者は着飾ることを楽しんでおり、私たちはそれを促しています。それは向上心の現われであり、競馬に行くことの要素の1つです」と語った。

 同氏は次のように付け足した。「もちろん着飾りたくなければ着飾らなくても良いのです。競馬場にはジャケットとネクタイを付けなくても良い場所は沢山あります。カウンティースタンドのドレスコードに対する反対がどれほどのものかについてのヒントを申し上げれば、今年ヨーク競馬場に32万7,000人が訪れましたが、ドレスコードに関する手紙やEメールは一切頂いておりません」。

 チェスター競馬場のCEOであるリチャード・トーマス(Richard Thomas)氏は、「女性が着飾ると、男性は場違いな格好はしたくないと思いますので、同じように着飾り、そしてカウンティースタンドに行くためにジャケットを着てネクタイを付けることに満足しています」と語った。

 同氏は次のように付言した。「それは素晴らしい雰囲気を作り出します。ドレスコードのないタタソールズスタンドに通じるパドック周辺を見渡しても、ジーンズやトレーナーを見ることはないでしょう。つまり、人々が着飾っているのはカウンティースタンドだけではないということです」。

 「天候が暑すぎれば、私たちは愚かではありませんので、ジャケット着用を緩和します。今年は30万人以上の来場者を迎えていますが、一人もドレスコードのことで入場を阻みませんでした。また、私たちはドレスコードに関する意見も受けませんでした。ドレスコードが人々の行動に大きな変化をもたらしていると確信しています」。

 アスコット競馬場は2年前に、ドレスコードが“絶対的に必要である”ロイヤルアスコット開催以外のすべての競馬開催時において、特別席でのシャツとネクタイの義務付けを緩和した。

 アスコット競馬場の広報担当理事であるニック・スミス(Nick Smith)氏は、「世の中の事情がかなり変わってしまったので、ほとんどの日はシャツとネクタイを義務付ける方針はとっていません」と語った。

 同氏は次のように付言した。「着飾ることが行事の一部になっているので、誰もがロイヤルアスコット開催のために着飾ることを楽しんでいます。シルバーリングの中ではドレスコードを設けていませんが、着飾っていない人を見つけるほうが難しいです」。

 馬主協会(Racehorse Owners’ Association)のCEOマイケル・ハリス(Michael Harris)氏は、「競馬場のドレスコードについてのコメントを聞いたことは、ここ5年間で一度もないと認識しています」と語った。

By Jon Lees

[Racing Post 2010年9月30日「Tracks say they have no plans to alter dress rules」]


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