ゴルディコヴァ、ヨーロッパ年度代表馬に(欧州)[その他]
競馬史上初めてブリーダーズカップで3連勝を果たしたゴルディコヴァ(Goldikova)は、11月16日にロンドンのドーチェスターホテルで開催された第20回カルティエ賞受賞式において2010年のヨーロッパ年度代表馬の栄誉を与えられた。
ヴェルテメール兄弟(Wertheimer)が所有する傑出した牝馬は、2009年の英雄シーザスターズ(Sea The Stars)をはじめとする歴代受賞馬の輝かしいリストに仲間入りする。フレディー・ヘッド(Freddy Head)調教師により管理されてきたゴルディコヴァは、5つのG1競走を制したシーズンの後、受賞馬の有力候補となっていた。
2010年の素晴らしいシーズンにおける最大の見せ場は、11月6日のチャーチルダウンズ競馬場であった。そのBCマイルにおいて、ゴルディコヴァは3連勝を果たし、歴史に名を残した。
カルティエ賞年度代表馬の部門において、ゴルディコヴァは、レコードを更新したキングジョージ勝馬ハービンジャー(Harbinger)、英国ダービーと凱旋門賞を制したワークフォース(Workforce)、人気マイル馬キャンフォードクリフス(Canford Cliffs)、そしてチャンピオンSを2回制したトゥワイスオーヴァー(Twice Over)と激しい戦いを繰り広げた。
来年も6歳馬としてG1競走12勝という記録をさらに伸ばそうとしている5歳馬のゴルディコヴァは、多くのスター馬が揃っていた中で、最優秀古馬賞も2年連続で獲得した。
カルティエ賞は8部門に分かれており、パターン競走により稼いだポイントをもとに、ブロウ・スコット(Brough Scott)氏が委員長を務める競馬ジャーナリスト委員会の意見や、レーシングポスト紙とデイリーテレグラフ紙(Daily Telegraph)の読者投票を加味して決定される。
この夜の他の受賞馬には、ヘンリー・セシル(Henry Cecil)調教師が管理するフランケル(Frankel)がいた。同馬は、ジャドモントロイヤルロッジSやドバイデューハーストSを制しデビューの年を無敗で終えたことから、最優秀2歳馬に輝いた。
英国と愛国のオークスを優勝したスノーフェアリー(Snow Fairy)は、11月13日には日本のエリザベス女王杯を制し、最優秀3歳牝馬賞を受賞するのに最もふさわしい馬となった。
年度代表馬の受賞をし損ねたワークフォースは、敗者復活で最優秀3歳牡馬賞を受賞した。また、ミスティーフォーミー(Misty For Me)が最優秀2歳牝馬賞、スタースパングルドバナー(Starspangledbanner)が最優秀短距離馬賞、そしてライトオブパッセージ(Rite Of Passage)が最優秀長距離馬賞を受賞した。
功労賞は、今年で通算3度目の最優秀英国平地調教師に輝いたリチャード・ハノン(Richard Hannon)調教師が受賞した。この特別な賞は、18人のカルティエ賞審査員により審査され、生涯あるいは過去1年において欧州の競馬またはサラブレッド生産のために最善を尽くした個人が選ばれる。
約40年間にわたって調教の最前線で活躍しているハノン調教師は、今年、キャンフォードクリフのG1競走3勝に代表される信じられないようなシーズンを過ごした。同調教師は、総額322万6,657ポンド(約4億5,173万円)の賞金を得て今シーズンを終え、パコボーイ(Paco Boy)とディックターピン(Dick Turpin)のおかげでトップレベルの成功を収めることができた。
2010年カルティエ賞受賞馬・受賞者
最優秀2歳牡馬 - フランケル
最優秀2歳牝馬 - ミスティーフォーミー
最優秀3歳牡馬 - ワークフォース
最優秀3歳牝馬 - スノーフェアリー
最優秀短距離馬 - スタースパングルドバナー
最優秀長距離馬 - ライトオブパッセージ
最優秀古馬 - ゴルディコヴァ
年度代表馬 - ゴルディコヴァ
功労賞 - リチャード・ハノン調教師
By Lewis Porteous
(1ポンド=約140円)
[Racing Post 2010年11月16日「Goldikova queen of the Cartier Racing Awards」]