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海外競馬ニュース
2010年02月04日  - No.5 - 3

馬伝染性貧血、30年ぶりに発生 (イギリス)[獣医・診療]


 英国の競馬関係者は、環境食糧農林省(DEFRA)が国内で30年ぶりに馬伝染性貧血(equine infectious anaemia: EIA)の発生を確認したことを受けて、この疾病の徴候に注意する警戒態勢に入った。

 ルーマニアからベルギー経由で輸入された馬9頭のうち2頭がウィルトシャー州内でEIAの陽性反応を示し、これらの馬にはDEFRAの獣医局長であるナイジェル・ギベンズ(Nigel Gibbens)博士の指示の下、安楽死の措置が取られた。

 ギベンズ博士は、「一見したところ健康な馬でしたが、これらの馬は何としても英国への侵入を阻止しなければならない、届出が義務付けられている恐ろしい疾病に冒されていました」と述べた。

 BHA(英国競馬統轄機構)の馬科学・福祉担当理事ティム・モリス(Tim Morris)博士は1月19日夜、1976年以来初めてのEIAの発生に鑑み、DEFRAからBHAに協力の呼びかけがあったと語った。

 同博士は、「感染馬は馬術用でも競走用でも繁殖用でもありません。EIAの封じ込め規制は敷地内で行なわれ、敷地周辺の地域レベルでは行なわれません。 DEFRAは現時点では競馬に影響が及ぶとは考えていません。また、蔓延の危険が高いとも考えていません。EIAはアブ(biting flies)により蔓延するものなので、現在の冬の寒い時期に感染が広がることはないように思われるからです。しかし、私たちは警戒を怠ってはなりませ ん。BHAはすべての獣医官と競馬関係者に、競走馬にEIAの徴候が出ていないかどうか気をつけるよう忠告しました。EIAは長期に亘って感染力を保持す るので、この疾病に罹った馬に安楽死の措置が取られるのは止むをえないことであるとBHAは考えています」と付言した。

 EIAウィルスは間欠熱、貧血および衰弱(食欲不振症)を引き起こし、馬を死に至らせることもある。EIAは、虫刺されにより感染し、一般的に低地の沼沢地帯で発生しやすい。

 馬にEIA感染の危険性が最も高まるのは、EIAが風土病となっている国や地域に輸送された時やEIAウィルスが混入した生物学的製剤が馬に投与された時である。

By Howard Wright

[Racing Post 2010年1月19日「Swamp fever hits Britain for first time since 1976」]


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