オーナーブリーダーのプラット姉妹、拠点を南アフリカに移す(イギリス)[その他]
1980年代から英国でオーナーブリーダーとして活躍しているヴィヴィアン&ヘザー・プラット(Vivian and Heather Pratt)姉妹は、南アフリカにサラブレッド事業を集中させることを決断し、ニューマーケットで開催されるタタソールズ社(Tattersalls)の7月セールの初日である7月6日に、所有する2歳馬をすべて売却する予定である。
牡馬3頭、牝馬5頭からなる計8頭の2歳馬はすべて、重賞を勝ったリスプレンデントグローリー(Resplendent Glory)の産駒で、プラット姉妹は同馬を主に自身が所有する繁殖牝馬と交配させてきた。8頭はすべてレスターシャーにあるキャッスルビュー牧場(Castle View Stables)のマシュー・マックリー(Matthew Mackley)氏によって馴致され、セリ向けに育成されている。
リスプレンデントグローリーの初年度産駒は現在3歳で、6頭生まれたうちの3頭が出走し、そのうちスパイダー(Spyder)とドリームズオブグローリー(Dreams Of Glory)の2頭が勝馬となった。プラット姉妹は、繁殖牝馬、当歳馬および1歳馬も今年中に売却するつもりである。
ヴィヴィアン氏は、「私たちは約30年馬に関わっておりますが、賞金額のレベルが低いため海外の事業に集中する決心をしました」と語った。
ヴィヴィアン氏は長年にわたって南アフリカの競馬にも関わってきており、「初期に購買した馬はホブノブ(Hobnob)であり、ダンテS(G2)を勝っています。同馬は1976年のタタソールズ社の12月セールで購買しましたが、南アフリカで種牡馬となり素晴らしい成功を収めました。私はデインヒル産駒であるマルディグラ(Mardi Gras)も輸出し、同馬は南アフリカで5レースを制しました」と語った。
そして次のように続けた。「南アフリカで馬を生産し出走させる費用は英国に比べずっと安価であり、魅力的です。それに賞金は5着馬や6着馬にも与えられます。馬はこのような環境で活躍することができます」。
プラット姉妹が所有し生産した中で最高の馬は、リングフィールド競馬場のハンデ準重賞を含む9レースに優勝したクロフトバレー(Croft Valley)であり、同馬は8万ポンド(約1,120万円)以上を収得した。クロフトホール(Crofthall)産駒で、レグ・アケハースト(Reg Akehurst)調教師により管理された。
プラット姉妹はすでに南アフリカにシャーンマダリー(Shaan Madary)という繁殖牝馬を所有しており、2頭の現役馬をオーモンド・フェラリス(Ormond Ferraris)調教師に預けている。ヴィヴィアン氏は、「馬を生産し何代も育成してくれば、愛着が湧きます。長い間活動してきた英国での年月を考えると寂しい限りですが、昨今は生産事業を行うには膨大な資金源が必要です」と付言した。
By George Kimberley
[Racing Post 2011年7月1日「Vivian and Heather Pratt to focus on South Africa」]