検疫問題の解決のために進展がみられる(オーストラリア)[その他]
メルボルンカップ大使であるレーシングヴィクトリア社(Racing Victoria Ltd.)のリー・ジョードン(Leigh Jordon)氏は7月9日、ソーユーシンク(So You Think)の関係者たちがコックスプレート(G1)3連勝に挑む可能性を阻み、さらに、メルボルンカップ(G1)そのものの国際的な地位をおとしめる恐れのある検疫問題に進展があったことを発表した。
メルボルン・スプリングカーニバルに出走馬を勧誘する目的で欧州に滞在している同氏は、数日前にニューマーケットのサイドヒル牧場(Side Hill Stud)を視察していたが、オーストラリア検疫検査局(Australian Quarantine and Inspection Service)がバリードイル厩舎(Ballydoyle)の検疫施設の使用に異議を申し立てていることについての解決策を見出すため7月10日にアイルランド入りする。
隔離中の馬を走路で運動させるときに、隔離されていない馬から100 m離した状態を維持することは、オーストラリア当局が提示している厳格な要件である。オーストラリアでは2007年に日本からの輸入馬が原因とされる馬インフルエンザが発生し、オーストラリアの競馬産業に10億AUSドル(約900億円)と見積もられる損害が発生していた。
バリードイルもサイドヒル牧場もオーストラリアに遠征してくる馬のための検疫施設としてこれまで使用されてきており、2010年のメルボルンカップ勝馬でアラン・ド・ロワイエ=デュプレ(Alain de Royer-Dupre)調教師に管理されているアメリケイン(Americain)は、フレミントン競馬場に輸送される前にサイドヒル牧場で検疫を受けていた。
ジョードン氏は7月9日、次のように語った。「ニューマーケットで関係者と会い、検疫に使われる走路を視察した後、どのようにすれば100 mの要件が満たされ私たち競馬統轄機関も納得できるかについていくつかの勧告を行い、反応は極めて肯定的でした」。
ジョードン氏がニューマーケットで行った調査の大半は、隔離馬が他の馬や厩舎エリアの100m以内を通らずに走路にアクセスすることができる動線が焦点となっていた。。
そして次のように付言した。「ニューマーケットに来たことで、私はどのような変更が施されるべきかを見ることができ、非常に協力的な関係機関と話し合うことができました。そしてバリードイルを訪れて同じことを行います」。
「私たちが相手にしているオーストラリア政府の検疫部門の人々は非常に立派な方々で、この問題を解決することに熱心です。彼らは海外馬がメルボルンカップに来て欲しくないと思っているわけではなく、職務を忠実にこなしているのであり、解決策を見つけたいのです」。
「これこそは私が目指している展開であり、私たちは正しい方向に向かいつつあると強く確信しています」。
By Graham Green
(1AUSドル=約90円)
[Racing Post 2011年7月10日「Progress being made to resolve Australian quarantine issues」]