ゴフス社ブリーズアップセール、売り手の利益は昨年から大きく低下(イギリス)[生産]
4月3日のゴフス社ケンプトンブリーズアップセール(Goffs Kempton breeze-up)は、83%の素晴らしい売却率であったもののすでに売却された馬の38%しか利益を出さなかったことから、多くの売り手たちが困惑した。
1歳馬の落札額と1万ポンド(約130万円)の調教経費を基にしたこの38%という数字は、昨年の52%の利益と比べるとかなり低い。
このような数字は、この後のタタソールズ社、ドンカスター社、アルカナ社およびゴアズブリッジ社のブリーズアップセールに馬を上場するピンフッカーにも不安を感じさせるものである。
4万ポンド(約520万円)でケレイフ(Kheleyf)の牡馬を売却したオークファームズステーブルズ(Oak Farms Stables)を所有するマーク・ドワイヤー(Mark Dwyer)氏は、今年のセリシーズンの開幕を告げた4月3日のブリーズアップセールについて次のように語った。「現在セリ市場は厳しい状況です。状況が好転しない場合の逃げ場はどこにもなく、それが現状です」。
エージェントであるジェイミー・レイルトン(Jamie Railton)氏は、今年のブリーズアップセールが昨年の水準に達したとは感じなかった。「正直なところ、全体的にがっかりする状況でした。最高額馬の価格8万ポンド(約1,040万円)はそれほど高額ではなく、また中間価格帯の取引も低調でした。平均的な価格の馬でさえ5,000ポンド(約65万円)以上の利益が出るべきところでしたが、結局ピンフッカーの手に残ってしまい、おそらくそのピンフッカーにもう資金はないでしょう」。
バンシャハウスステーブルズ(Bansha House Stables)のコン・マーナン(Con Marnane)氏は同じ意見を持っている。同氏は、「昨年ほど好調なセリではありませんでした。私たちは数頭の優良馬を売ってそれなりの価格を得ましたが、最も高額な馬は売れ残りました。買い手が最高級の馬を求めに来たとは思えません」と語った。
そして、「私は、昨年のセールでのカレドニアンスプリング(Caledonian Spring)の売却やケビン・ライアン(Kevin Ryan)調教師の優良馬であるバパクチンタ(Bapak Chinta)の2011年ロイヤルアスコットでの勝利が、買い手の動きを活発にすると考えていましたが、そうはなりませんでした」と続けた。
マーナン氏はまた、今年は海外からの関心が欠如していたことが最高級馬の低調な取引の原因になったと考えている。「セリにはあまり多くの海外からの参加者はなく、スカンジナビアやイタリアからの参加者も減少していました。競走馬は本来の価格で取引されませんでした。今後の成行きによっては、今回のセールで売れなかった掘り出しものが多く出るでしょう」。
ブリーズアップセールのコンサイナーは、予想以上に盛況だった2011年の1歳馬セールではそれぞれ馬を確保しなければなりませんでした。レイルトン氏は、来る2歳馬セールの状況について不確かであるものの、「少し心配な状況です。英国は景気が良くありません。ピンフッカー所有の馬はおそらく売却するのが最も難しいので、2歳セールも困難な状況となるでしょう」と語った。
しかし、ドワイヤー氏は落ち着いて楽観的で、「厳しいものとなるでしょうし、私は自分なりの見方しかできませんが、取引はまあまあの結果だったと言えるでしょう。5万ポンド(約650万円)以上の価格をつける馬も何頭かいました。このようなセリにおいては上出来でしょう」と語った。
同氏は、「クレイヴンやドンカスターのブリーズアップセールは、日程が近いために一度の訪問で2つのセールに参加しやすく、より多く海外の参加者が見られるでしょう」と付言した。
By Tom Pennington
(1ポンド=約130円)
[Racing Post 2012年4月5日「Vendors feel the heat as profits take a hit」]