勇敢な2人の騎手、1000kmのモンゴルダービーに参加(モンゴル)[その他]
ドーナル・ファーヒ(Donal Fahy)騎手とリッチー・キロラン(Richie Killoran)騎手はこの夏、世界で最も長い競走に騎乗する初めて英国拠点の騎手となって歴史に名を残すことになる。
友人同士である二人の騎手は、負傷騎手基金(Injured Jockey’s Fund:IJF)を支援するための一環として、ゴールするまで1週間以上かかる1000 kmのエンデュランス大会のモンゴルダービーに参加することを計画している。
一生に一度の冒険となるこのレースへの挑戦は、26歳のファーヒ騎手にとって、昨年11月にラドロー競馬場で落馬し背中が骨折しほぼ麻痺状態になって以来、調教で騎乗に復帰できた5月11日の状態までの回復に至るための重要な一歩であった。
ファーヒ騎手は、L2の椎骨を手術した後、ランボーンにあるIJFのリハビリ施設オークセイハウス(Oaksey House)で数ヵ月間を過ごし、5月10日にビレンダー・バラン(Birender Balain)医師によって騎乗しても良いとのゴーサインをもらった。オスウェストリーにあるロバート・ジョーンズ&アグネス・ハント整形外科病院(Robert Jones and Agnes Hunt Orthopaedic Hospital)で同騎手を担当しているバラン医師は、このように早く骨がくっついたのは見たことがないと語った。
現地の農民が半野生馬と在来馬に騎乗するモンゴルの草原に行くための旅費を、キロラン騎手とともに工面する必要のあるファーヒ騎手であるが、「私は本当に気持ちが急いでいて、早く競馬場に戻りたくてたまりません」と述べた。
そして次のように続けた。「リッチーがこの計画を思いつきました。私にインターネットでこのレースの映像を見せました。私たちは互いにこの挑戦に張り切っています。私たちはIFJのために参加したいと考えています。なぜなら、私はIFJに非常によく世話してもらいましたし、リッチーも顎を酷く骨折したときに同じくお世話になりました。私たちは何かお返しをするために挑戦したいと思っています」。
「私たちは、モンゴルに行ってレースに参加し、騎乗馬の使用料などにトータルで約1万2,000ポンド(約156万円)必要となります。私たちはこの大会が終わるまでにそれ以上の資金を集められればと思っています」。
モンゴルダービーはこれで第3回目となり、その極限まで疲労するコンディションと厳しい地形で、世界中の馬騎乗者から大きな関心を集めている。リニューアルされた8月の大会はこれまで最多の35人の騎手が参加予定である。
ファーヒ騎手は、「レースは7日〜10日続く可能性があり、私たちはこれまでにそのような経験がありません。各区間の騎乗終了後、星空の下のテントで眠ることもまた新しい経験となるでしょう」と語った。
「私たちはこの大会に参加する初めてのアイルランド人ジョッキーです。大会が待ち遠しいです。私たちは資金を集め始めています。一週間ほど後に帰国して競走に復帰し、張り切って仕事に取り組みたいと思っています」。
By Graham Green
(1ポンド=約130円)
(関連記事)海外競馬ニュース2012年9月13日「1000kmのモンゴルダービーで英国拠点のファーヒ騎手が優勝(モンゴル)」
[Racing Post 2012年5月12日「Derby with a difference for intrepid pair in Mongolia]