カタールのジョアン殿下、仏オークス馬トレヴを購買（フランス）［その他］

　フランキー・デットーリ（Frankie Dettori）騎手を契約騎手としたカタールのジョアン殿下（Sheikh Joaan Al Thani）は、凱旋門賞（G1）の最有力馬トレヴ（Treve）を購入し、拡大しつつある一連の所有馬に更に1頭の優良馬を加えた。

　7月中旬のロンシャン競馬場において、競馬関係者の間では、無敗のモティヴェーター（Motivator）産駒トレヴの購買額は800万ユーロ（約10億4,000万円）と噂されていた。同馬は引き続きクリケット・ヘッド-マアレク（Criquette Head-Maarek）調教師が管理する。

　ヘッド-マアレク調教師の家族が経営するケネー牧場（Haras du Quesnay）がトレヴを生産し所有していた。同調教師は次のように語った。「トレヴは私が管理し続け、ヴェルメイユ賞（G1）と凱旋門賞（G1）を目指します」。

　凱旋門賞に出走するためには10万ユーロ（約1,300万円）の追加登録料を支払わなければならない。

　トレヴは、仏オークス（G1）で2秒レコードタイムを縮め、4馬身差で優勝したことで、ロンシャン競馬場の看板レース凱旋門賞で現在（7月18日）オッズ10-1（11倍）の一番人気になっている。

　ジョアン殿下のスポークスウーマンであるシアン・ジョーンズ（Sian Jones）氏は、7月15日に本紙がスクープしたこの購入を認め、「私たちは一連の所有馬に新たに購入馬が加わり満足しており、この無敗牝馬がジョアン殿下の勝負服で勝利を重ねていくことを望んでいます」と語った。

　「私たちはトレヴを当初の調教師に預託し続けます。無敗馬なので特に変更する理由はありません」。

　6月にトレヴの購入交渉を開始した同じ日に、シャンティイ競馬場でデットーリ騎手とジョアン殿下との間で締結された契約には、現在リチャード・ハノン（Richard Hannon）調教師が管理するトロナード（Toronado）やオリンピックグローリー（Olympic Glory）のような馬の騎乗は含まれていない。

　デットーリ騎手は昨日、ジョッキーチャレンジ参加のためにトルコにいたが、エージェントのレイ・コクレーン（Ray Cochrane）氏は、ティエリー・ジャルネ（Thierry Jarnet）騎手がこれまでの3戦に騎乗したトレヴに、今後はデットーリ騎手（42歳）が引き受けるのではと述べた。

　コクレーン氏は、「フランキーはジョアン殿下の最初の契約騎手となったので、トレヴに乗ることは順当だと考えます」語った。

　今年の仏クラシック勝馬4頭のうち3頭は、今やカタールの王族であるアルサーニ一族に所有されている。ジョアン殿下は仏2000ギニー勝馬スティルヴァンドーム（Style Vendome）をすでに手に入れている一方で、英国のトップ馬主ファハド殿下（Sheikh Fahad）の叔父にあたるカリファ殿下（Sheikh Mohammed Bin Khalifa Al Thani）は仏1000ギニー勝馬フロティヤ（Flotilla）の馬主である。
 

 
By Scott Burton
（1ユーロ＝約130円、1ドル＝約100円）

［Racing Post 2013年7月18日「Sheikh Joaan snaps up Treve in deal worth rumoured €8m」］